【usss】何か海賊に拉致られたんですけど (ページ38)

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第25話ページ38

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前に暁が胡座をかいて座り、皆も思うような姿勢で座っているので私も正座をして座っているのだが、何故か暁の視線がバシバシと刺さる。

「それで聞きたいことってのは？」

ほんの一瞬私から視線を逸らし、うらたさんへ視線を向ける暁。⋯⋯何か、船にいた時より目つき悪い様な気がする⋯。うらたさんは目を伏せて小さく深呼吸をすると暁と目を合わせる。

「聞きたい事って言うのは、あの時俺達を助けてくれた船長さんが何処にいるのかを聞きに来ました。」

あの時⋯あぁ、うらたさんが話していたあの船長さんか。それにしても暁そんな人と会ってた事あったっけ？うちの船割と周りから嫌われてた筈なんだけど⋯。首を捻って考えている私にチラリと私を見た暁。⋯え、何。

「⋯遠くから俺の事を聞いてここまで来てくれたお前らには申し訳ないが、俺は船長(あいつ)の居場所を知らねぇんだ。多分他の奴も知らないと思う。」

すまない、と言って頭を下げる暁。坂田さんは少し残念そうにしていて、そうですか、とうらたさんも心做しか同じような顔をしていた。

「⋯まぁ、もしかしたら案外近くにいて近いうちに会えるかもしれねぇからあんまり気を落とすな、って居場所を知らない俺が言えることじゃないけどな。」
「⋯⋯⋯いえ、大丈夫です。ありがとうございました。」

さっきまで空気を無くすかのようにニッと笑う暁。⋯⋯だからなんでそんなに私を見るんですかねぇ。

「それじゃ行ってくるわ。」
「すぐ戻ってくるなー！」
「はい、行ってらっしゃい。」

皆さんは更なる情報収集の為、村へ行ったのだが私は留守番する事にした。歩き疲れたと皆さんには言ったが疲れなど少しもない。暁があんまりにも何か言いたそうな視線を投げかけてくるので残る事にした。⋯やまだぬきちゃんと回りたかったんだけどなぁ。

「⋯次はこっちが聞きたい事があるんだよなぁ。」

にっこりと笑いながらこっちを見る暁。説明しろと言わんばかりの顔で。はぁー、怖いようちの副船長。