第14話 ページ23
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ふと気付けば辺りは暗くなっていた。
道が見えるか見えないかのギリギリの道を走るうらたさんと私。
貴「うらたさん!!道こっちで合ってるんですよね?!暗いからって適当に走ってないですよね!?」
うらた「はっ!?お前の来た道戻ってるんじゃねぇの!?何でここまで来たんだよ!!!」
貴「やまだぬきちゃんの後追ってきたので分からないです!!!!」
うらた「はぁ!?馬鹿じゃねぇの!!!」
走りながらあっちこっちへ行って、行き止まりだったり、崖っぷちだったり……。
うらた「…はぁ、はぁ……。だめだ…今度こそ道が見えねぇ…。」
貴「…ゴホッゴホッ……。これからどうしましょう…」
ずっと走りっぱなしで息切れをしている私達。
やまだぬきちゃんが心配そうに鳴く。
あれ?ていうか……
貴「私達が道を探さなくても、やまだぬきちゃんに案内してもらってたらいい話だったのでは…?」
うらた「……あ、」
そうだ…その手があった…と頭を抱えるうらたさん。
貴「今からなんて無理ですよね……」
うらた「当たり前だろ…あそこからどうやってここまで来たか分かんねぇし、大体道が見えねぇ……」
どかっと道に座るうらたさん。顔は少し青ざめ、眉は少し顰められている。
……不安なんだろうか…。
貴「……最悪、ここら辺で野宿ですね。寝る場所と食料確保しないとですね…」
近くに食べ物が無いかと辺りを見回すと、うらたさんが顔を顰めたまま私を見る。
うらた「お前さ…何でそんなに落ち着けるのか意味わかんねぇんだけれど…」
怖くねぇの?とうらたさんは少し悲しそうな顔で聞いてきた。私はその顔を見て一瞬答えに戸惑った…だけれど
貴「怖くない…と言ったら嘘になります。不安だらけですね…。でも、やまだぬきちゃんもうらたさんもいるから私は大丈夫です!」
ですから、うらたさんそんな寂しそうな顔しないで下さい。
貴「…それでは!私は食料探してくるのでうらたさんは寝る場所を確保しといてくださいね!」
何だか気恥しくなった私はパッと顔を逸らしてなにか無いかと探しに行った。
うらた「……寂しそう…か。そうだな。寂しいよ……あいつらが居ないだけで寂しいな…」
第15話※暴力.暴言等が含まれております。苦手な方はUターン。→←うらたさん生誕祭
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作者名:LieN | 作成日時:2016年10月16日 18時