【usss】何か海賊に拉致られたんですけど (ページ19)

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第13話ページ19

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あの後少しの間坂田さんと話していたが、坂田さんもやる事があるらしく途中で部屋を出ていってしまった。

やる事がない私は甲板辺りをウロウロしてしまう。

貴｢どうしよう……一気に暇になっちゃったね。やまだぬきちゃん。｣

つい先程起きたやまだぬきちゃんに話し掛けると、やまだぬきちゃんは一度鳴くと私の腕から離れ、船を降りて何処かへ歩いて行ってしまう。

貴｢えっ、やまだぬきちゃん！！待って！｣

やまだぬきちゃんにもしもの事があったら…と思い、私も慌てて船を降りやまだぬきちゃんを追う。

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貴｢やまだぬきちゃん？何処へ行くの？｣

私より2歩先を歩くやまだぬきちゃん。勿論やまだぬきちゃんと会話が出来るわけではないから返事が返ってくる事は無い。

気ままに歩いてるのかと思えば、時折こちらに振り返って私が付いてきてるのか確認している。

まるで何処かへ案内するように…

貴｢(なぁんて、考え過ぎかな。)｣

暫く歩くとやまだぬきちゃんは掛けて行く。

その先を見ると、やまだぬきちゃんの主人、うらたさん_が気持ち良さそうに寝ていた。

やまだぬきちゃんはスリスリと彼の肩に擦り寄る。するとうらたさんが眠たそうに瞼を開ける。

うらた｢ん…？やまだぬきちゃん……？それと…｣

眠たげな目がぼんやりとこちらを見たので小さく解釈する。

貴｢すみません…やまだぬきちゃんが船を降りて何処かへ行くものですから…心配でついてきちゃいました……｣

うらた｢いや…別に大丈夫……｣

まだ眠気が覚めていないのか呂律が回らず少し舌っ足らずな感じで喋るうらたさん。新しい顔が見れたみたいで私は微笑ましくなった。

うらた｢…ん、んんんー。｣

ググっと伸びをすると、立ち上がるうらたさん。その肩にぴょんと飛び乗るやまだぬきちゃん。

心なしか嬉しそうにしているやまだぬきちゃん。そうだよね、今日は殆ど私といたもんね。

自分の好きな人の所に戻れて凄く嬉しいのだろう。彼の顔にずっと擦り寄ってるやまだぬきちゃん。それをくすぐったいと言っているうらたさん。

私は微笑ましく見ていていた。