心の氷２〜愛され魔導士は最強美女〜

５１度 ページ9

「A！とばしすぎだぞっ！！SEプラグが膨張してんじゃねーか」


グレイは必死に屋根に掴まりながら言う。AもチラッとSEプラグを見ると確かに歪な形に変形していた。


「あの笛は吹かれれば大量の人が死ぬ……そんな事絶対にさせない」

「…わかってっけど奴等の目的もはっきりしてねえし……一戦交える可能性もあるだろ」

「その点は問題ないよ」

「！」

「ナツもグレイもエルザだっている。それにルーシィもハッピーもいる。いざとなったら守ってくれるでしょ？」

「っ！！」


今度こそグレイは何も言い返せなかった。
本当にAは頭がいい。だからS級魔導師なんだろうが。扱い方をよく分かってる。
グレイは心中でため息をはいた。


「俺が絶対守るから」


そして一人でとても大きな何かと戦う背中に小さくそう呟いた。


「何…あれ……」


ふと視界に煙が見えた。Aはそこへ向かって更にスピードを上げた。

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