●32● ページ33
.
.
言われてみれば、確かにそうだ。
何度も来ているはずなのに、彼ら以外の人間を見かけたことは一度もない。
どうして?
切原の言葉に悩むAの横で、幸村は再び切原に口を開いた。
「さっきから蓮二が探しているよ。ほら、行きな。真田には言わないでおいてあげるから。」
「……」
「赤也。」
いつもより、ずっと静かな声。
その声に、思わず切原の背を悪寒が走り抜ける。仕方なしに、切原はコート内へと踵を返した。
「幸村くん……」
「大丈夫、水那月さん?またあいつ、生意気な事言ってなかったかい?」
「別に、大丈夫……だけど……」
何か、忘れている気がする。
切原の言葉のせいか、Aの頭の片隅にそんな考えが生まれた。
そう。ここへ来ることが「当たり前」となった今、Aは海底学校の噂のことをすっかり忘れていたのである。
海底学校の噂も、恐ろしい言い伝えも、すべて、全部。
108人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
I like choco - 面白すぎます!心臓バクバクいってるんですけどどうしたらいいですか? (2020年6月28日 20時) (レス) id: 46acbe60c7 (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - 海底学校・・・行ってみたい(*´▽`*) (2017年6月9日 19時) (レス) id: baf811e79e (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー - これ素敵です!! (2017年1月30日 0時) (レス) id: c6154ab521 (このIDを非表示/違反報告)
幻想曲(プロフ) - まゆさん» ダメですよ帰れなくなっちゃいますよ!! (2015年10月17日 23時) (レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - うー....でも仁王君ドンッってされてみたいです....w (2015年10月17日 22時) (レス) id: 8478a5faa8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru
作成日時:2015年9月22日 22時