海 底 学 校 【テニプリ/立海】

●２４● ページ25

.



.



がたん、と大きな揺れがAを襲う。



はっとAが目を覚ますと、聞きなれたキャラクターソングが絶えずAの耳に流れ込んできた。



(……え……なんで……って、)



｢やっべ降りなきゃ！｣



足元に投げ出した鞄をつかみ、混在するサラリーマンを押し退けてホームに降りる。



Aが降りると同時に、電車のドアが閉まった。



(……あっぶな……)



ホッと胸をなでおろし、イヤホンを耳から外す。そのまま、駅名を映す電光板へと目をやった。




いつも目にする、学校の最寄駅名。時間は、8:10。




｢……｣




(これも、幸村くんの魔法……？)




どうせならば学校に行ったことにして欲しかったなどと不真面目なことを考えながら、Aは改札へと向かった。




その後、友達に幸村のことを話そうかとも思ったが、結局それはないままに終わってしまった。




なぜなら、Aが幸村のことを話そうとする度……Aは、幸村やその学校のことを一時的に忘れてしまうから。




(黙っとけってことか……)




そうAは勝手に納得をして、家路についたのだった。

●２５●→←●２３●

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す