純愛ノスタルジー【影片みか】

純愛11 ページ12

「ふー………あ、いつもの私だ」


教員用の女子トイレでメイクを落とす。鏡にはいつもの見慣れた私の顔が写っていた。


やっぱり慣れないことするもんじゃねーな。私メイクしなくても結構かわいいし??なんて今のは調子に乗ったな。


「みかちゃんお待たせー」
「ん、ほな帰ろか」


スタスタと歩いていくみかちゃんに私もついていく。外はもう暗い。
今日はプロデュースも無かったし早く帰れると思ったのにあのモブ野郎め…


「まぁ明日には全学年の全生徒に私の本性が晒されていることだろうし!!」
「何する気なん」
「え、声に出てた??」
「バリバリ出てたけど」


そうか〜、なんて言いながら携帯を取り出す。


「この前クラスのみんなでふざけて撮った動画あるじゃん??」
「んぁ??」
「それを校内SNSに貼る」
「それクラスのみんなも巻き込まれとるよな！？確かみんなでプリ●ュアのED踊ったやつ…」
「あ、そっちじゃない。合コンごっこしたやつ」
「そっちかーーーーーい…」


合コンごっこ楽しかったよ。
最終的に私が男役でみんな女役になってたけど…


「あとさ、みかちゃん。助けに来てくれてありがとう」
「…べ、別に??通行の邪魔やったし!!」
「それでも、ありがとうっ!!嬉しかった!!みかちゃん大好き!!」


そう言ったら。
いつもなら軽くあしらってくるはずのみかちゃんが、顔を真っ赤にしていた。…え、かわいい。世界中からかわいいをかき集めてもこのみかちゃんには敵わないってぐらいにかわいい。


「っ、あほやん…」
「突然の罵倒」


突然罵倒されたことに若干ショックを受ける。でもそんなショックは、数秒後に吹っ飛ぶことになる。


みかちゃんの綺麗な顔が、近付いてくる。

純愛12→←純愛10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す