相談1 太宰治の場合 ページ3
薄暗い路地裏の奥、そこには明かりのついたランプが灯されていた
そこは路地裏とは思えないほどお洒落なお店が建っていた
チリンチリンとドアにかけられている鈴が鳴った
それに気づいた少年がドアを開けた主に笑顔でこう言った
「いらっしゃい、今日はどんなお悩みなん?」
「ふふっ、今日も聞いてもらっても良いかな?」
「良いんよ〜、ちょっと待ってて…お茶出すんよ」
そう言ってパタパタと奥の部屋へと消えて行った
カチャカチャと食器が当たる音がすると同時に先程の少年が奥の部屋から出てきた
「はい、持ってきたんよ…っと、それで、今日はどうしたん?」
「そうそう、聞いてよ"奏"くん〜…国木田くんがね、酷いのだよ」
ぶーと机にの垂れる男は太宰治という近くにある探偵社の社員だ
対して奏と呼ばれた少年はこの相談屋の店主である
「また仕事サボったん?これだけは国木田に同情するんよ…」
「奏くんも国木田くんの味方なのかい?酷いなぁ…」
「いい加減、サボり癖をなんとかしないとダメなん、俺も応援するから頑張るんよ」
クスクスと笑って頭を撫でる
一応言っておくが、奏は太宰より年下だ
これが、奏という少年が文豪達の相談を聞くほのぼのとした物語である
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作者名:零花 | 作成日時:2019年3月29日 17時