絡まりアイ (ｔ) (ページ19)

今日:31 hit、昨日:3 hit、合計:65,977 hit

19 ページ19

「はーい。」といいながら応答すると、画面に映るのはやっぱり玉森くん。

黒のハットを被り、コンビニ袋を持った手を軽く振っている。

「おつかれー」といいながら解錠すると、無言で開いた扉に向かって行った。

しばらくして、部屋のインターホンがなる。

ガチャ

扉をまずは細くて開けると、隙間から色白の顔がのぞく。

「はやくあーけーて。」

「ふふっお疲れさま。狭いけど、どうぞ。」

「おじゃましまーす。あ、これ、デザート買ってきた。」

「わぁ！ありがとう！冷蔵庫入れといたほうがいい？あ、チャーハン今から炒めるから適当にソファにでも座ってて。ってか、簡単なレタスチャーハンなんだけど、それで大丈夫…？今さらそれ聞く？って感じだと思うけど…」

「ふははっ！A～！大丈夫、作ってくれるの、なんでも嬉しいから。」

爆笑している玉森くんに、いつもみたいに頭をくしゃくしゃっとされる。

「俺、冷蔵庫いれてくる。」

「う、うん、ありがとう。」

目尻がぐっと下がってフニャっとした無垢な笑顔が間近にあって、少しドキッとしてしまう。

彼が大人しくリビングで待っているはずもなく、私がチャーハンを炒めている間も台所に居座り、色々と話しかけながら急かしてくる。

「もうっ大人しく待っててよー！」

「いやだねー。あっちにいても暇だしー。」

「そしたら、冷蔵庫にサラダあるから出して並べておいてください。」

「らじゃー！」

2人分のチャーハンがなんとか完成し、リビングのソファの下に2人で座る。

ここでも私は、口に合うかわからない等々、焦って盛大に喋り倒した。