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「はい、Aうるさーい。いただきまーす!」
大きめの一口をすくって食べる彼を凝視して反応を伺う。
口に入れてもぐもぐして飲み込んだ彼が、こちらを向いて一言。
「すんげーうまい!」
にぱっと笑ってそのままチャーハンに向き直って食べ続ける彼。
「よかったぁ〜、はぁ、安心したらお腹へってきた。」
仲良くチャーハンを食べきり、2人でソファに座り玉森くんが買ってきてくれたプリンに舌鼓をうっていると、彼が問いかけてきた。
「ね、なんで今日呼んでくれたの?」
いつも優しげな瞳が、じっとわたしをみつめている。
「玉森くんがメールくれたタイミングでお米が炊けたからだよ。」
「ガクッ。そんだけ?」
「うん。チャーハンって言ってたし、材料もあったし、いつもご馳走になってるから、お礼もしたかったし。」
テーブルに向き直ってプリンを食べ進める。
普段は正面の席に座っているのに、今日は隣にいるから、いつもより距離が近くて、彼の顔をあまり見れない。
「ふーん。」と言いながら彼は伸びをして、そのまま腕をソファの背もたれに置く。
背中の方から、ふわっと彼の香りがして、抱きしめられた時のことを思い出した。
「あ、洗い物してこよっかな!」
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作者名:kainaniak2 | 作成日時:2019年7月21日 1時