こんな部活、辞めてやるよ【HQ】

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暦side




よくもまあ、そのような嘘が出てくるのかなあ。




『実は…私暦先輩に軽い嫌がらせ受けてて…』




たまたま通りかがった空き教室から柳瀬ヒナの声が聞こえ、私は舌打ちをした。



嫌がらせだと？


誰が、いつ、お前に嫌がらせをした。




マネージャーの仕事はろくにしねえし、その癖、選手の応援は人一倍甲高い声でする。

しかも、ギャラリーで、だ。




仕事を教えたって、お得意の嘘泣きで先輩である私には仕事を押し付ける。


ドリンクができたと思ったら

「先輩ごめんなさいっ…！重いですよね、持ちます！！」

と言って籠を奪い取る。



タオルだって、洗濯し乾燥して畳もうかとしていたら手伝います、と言って私を追い出す。

そうしたら自分で選手に渡す。





柳瀬も大概だが、部員達もよく気づかないものだ。


今となっては笑い話にすら感じてしまう。




「あぁ…、胸糞悪い」




ただでさえ着崩した制服で不良感が漂っているのに、目つきが悪くその上舌打ちまでしてたらもう誰も話しかけようとはしてこない。



それで好都合。

今ウザいテンションで話しかけられたらそいつに当たってしまうだろう。




「……あいつらは、いつ気付くかな」




あえて、自分が怒った意味は言わなかった。


及川から昨日LINEが来ていたが、無視。
お知らせからトーク内容を見たがそれを見て、またイラつきが増してしまった。




……自分が何をしたかどうかも分からないなんて、ほんっとうにクソ野郎。



マンガなどによく似たようなシュチュエーションが数多くあるが、現実はそれ以上に腹が立つ。


なにより、ヒロイン柳瀬ヒナは無自覚系悪女だ。


だが、その裏には絶対意図的に仕込んでいる。




「なーにが、とぉる先輩だよ気持ちが悪い」




あぁ、イライラする。








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