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第五十八話【駿河 春雪】 ページ9

「………なんで?」


殺して触れる。

それで俺の能力は発動するはず。

なのに……


「能力が、使えない…!?」


獣を一掃し終わった俺は、屍体を操るべく片っ端から手を触れていた。

最初に触れた時、屍体がピクリとも動かんかったのに驚いて、他も全て触れたが例外は無し。

理由は分からん。

さっきの『歯止め』がきかんかったのもそうやけど…。

何が起こっている…!?


「…こうなったら、全部薬品か体術で殺らなあかんのか…手間かかるなぁ」


しかし、薬品の数にも限りがある。

四次元袂()だっていつまで保つか分からない。

体力もずっと動き回っとったら消耗するし…。


「夜のうちに3キロ以内におるんは確実に片付けるとして…あとはどこまでやる?」


5キロか?

そこらへんならいける。


そうこうしている間にも、着実に夜は近付いて来る。

ピット器官の薬品が保つんは3時間。

あと2本あるから…一つ予備に取っとくとして、一時には大量虐殺も終わりやな。


……ん?

十時の角度に体温を感知した。

足音を立てないようにして忍び寄り、敵の背後3メートルに立つ。


「くそッ、夜かよ…銃使えねぇじゃんか…」


「……君、狙撃手(スナイパー)ならもうちょっと静かにせんとあかんよ?

俺みたいな奴に見つかったら殺されるでぇ」


「んなっ!?」



一気に相手の懐に飛び込み、鳩尾と顎を連続で二度殴る。

足払いを掛けて倒し、顔面を片手で掴む。

…そのまま近くの岩まで引きずり、掴んだ頭部を岩に叩きつけた。

何度も、何度も。

最後に思いきり腕を振りぬけば、がぼん とでもいうような音がして、頭蓋が陥没した。


無表情で立ち上がり、周囲を見渡す。

ほとんど真っ暗になってしまった中でも、結構多くの敵がウロチョロしてるのが分かった。


「次の獲物は?」


蛇のように這い回れ。

蠍のように毒を刺せ。




「………見つけた」


宵黄泉さん。

次はあんたを×してやるよ。

第五十九話【香鮮 妖麟】→←第五十七話【深谷 架乃】



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(プロフ) - 続編いきます (2016年10月14日 10時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 終わりましたぁ (2016年10月11日 0時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新しませう (2016年10月10日 23時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
影谷クロ(プロフ) - どなたでもいいのでパスを教えて下さい (2016年7月27日 23時) (レス) id: a8d74e6ef2 (このIDを非表示/違反報告)
璃音(プロフ) - 終わり (2016年6月23日 9時) (レス) id: f448c03481 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:参加者の皆様 x他6人 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2016年2月7日 0時

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