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第八十六話【八卦謙】 ページ37

「いた。」

やっと見つけた、とうんざりしたように少年は言う。

ぼやきながら見上げた先には、少年と同じく白い髪を持った少女がいた。

一本の太い枝に座って野原___基、戦場を見下ろすその横顔に、少年は声をかけた。

「じっとしてたら危ないじゃないか。蛍。」

特にスナイパーに気をつけないとでしょ。と付け加えながら、少女に注意を促す。

「大丈夫だよ。僕強いもん。」

それに対し、少女の方はさほど気にしない様子で対応する。

「にしても、よくわかったね。僕の皮被って謙狙ってるやつだったらどうするつもりだったのさ。」

「間違うはずないだろ。」

少年は自慢げに答えると、少女の隣に腰掛けた。


「こうやって木に登って、高いとこから見る景色がさ、どうしても初めて見るものとは思えないんだよね。初めて見るはずなのにさ。」

なんでだろうね、と少女は独り言のようにつぶやき、空を仰ぐ。

その横顔は、なんだか寂しそうで少年は口ごもる。

今すぐに、きみは小さい頃の記憶がないんだ、と教えてあげられたら、少年はどんなに楽だろうか。


「さあね」

少年は答え、空を仰ぐ。目には涙がたまっている。

「僕もね、そんな気がする。」

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(プロフ) - 続編いきます (2016年10月14日 10時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 終わりましたぁ (2016年10月11日 0時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新しませう (2016年10月10日 23時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
影谷クロ(プロフ) - どなたでもいいのでパスを教えて下さい (2016年7月27日 23時) (レス) id: a8d74e6ef2 (このIDを非表示/違反報告)
璃音(プロフ) - 終わり (2016年6月23日 9時) (レス) id: f448c03481 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:参加者の皆様 x他6人 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2016年2月7日 0時

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