第六八話【織姫璃皇】 ページ19
「クッソ!あいつマジふざけんな!次会ったら…!!」
言葉にできない怒りを満足に動かない体で表現する
このジメジメして薄暗い洞穴…いや、木の洞か?に放り投げられ、うつぶせのまま放っておかれ、今も目の前を百足が通って行った。
…いや、別に虫が嫌いとかそういうわけじゃねぇよ?
ただ、普通に考えておかしいことないか?
一応、ここに来る前の外の世界からの親友…いや、やっぱ違うな、腐れ縁っつうか、なんつうか…とりあえず物心ついた時からの知り合いなのに
普通に考えて、
そういうやつを、
木の洞に放り投げたりしねぇだろ!?
ついでに、そのまま放ってどっか行くってどういうことだよ!?
…うん、まぁ昔からそういう奴ではあったけど…うん
ぷるぷるとうつぶせのままで怒りを全身で表していると、背後に人の気配
…まずったな、まだ動けねぇのに
ま、いっか…ヨミの奴にとりあえず(?)助けてもらったのに生き残れなかったことは多少残念っちゃ残念だが仕方がない…
「にぃ…なのかの?…どうしたのじゃ?そんな木の洞に頭から突っ込んだりして…」
あ、大丈夫だったわ
「好きでここにいるわけじゃねぇ!とりあえず起こせ!」
「うむ、わかったのじゃ」
ぐいっと手を引っ張られた…や、そんなことしたら頭…
「痛ってぇ!」
「わ、すまなかったのじゃ…」
ようやくクリアになった視界にはやっぱり予想通りの人物
「リリ、次から気を付けてくれ…」
リリーがいた
「うむ。で、どうしてここに居たのかの?」
「ああ、それはな、ヨミの奴に…」
リリーに一通り説明し終わると
「ほー…るーくんがの…」
と、面白そうな笑顔で一人頷いていた
「にぃ、これを飲むといいのじゃ」
口元に押し付けられた試験管を見て、顔を顰める。が、抵抗できるわけもなく
「んむ…あ、体が動くようになった?」
「おお!よかったのじゃ!それはこの前春くんと一緒に作った新薬でな!…臨床試験はまだだったけど」
「おい!今、物騒な名前と言葉が聞こえたぞ!?」
とりあえず体が動くようになったのはいいことだけど…大丈夫か?これ…
「ま、まぁ、この件は後回しだ…それよりも、ヨミだ!アイツをブッ飛ばしてやる!!」
そう言って立ち上がると
「にぃ、待つのじゃ」
「リリ?どうした?」
裾を引かれて座り込む
「今面白いところなのじゃ」
リリーはそう言って昏く嗤った
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周(プロフ) - 続編いきます (2016年10月14日 10時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
周(プロフ) - 終わりましたぁ (2016年10月11日 0時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
周(プロフ) - 更新しませう (2016年10月10日 23時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
影谷クロ(プロフ) - どなたでもいいのでパスを教えて下さい (2016年7月27日 23時) (レス) id: a8d74e6ef2 (このIDを非表示/違反報告)
璃音(プロフ) - 終わり (2016年6月23日 9時) (レス) id: f448c03481 (このIDを非表示/違反報告)
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