オレは神々に愛されていたようです (ページ10)

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＊事の始まり＊6＊ページ10

「にしてもビビりすぎですよA様！！」

アハハ、と大笑いするレイチェルを目の前に、オレは情けなくへにょ、と座り込んだ。

「そんなに迫力ありました？うーん…やはりヒトを研究した結果ですかね。」

うんうん、と一人で頷いているのを見ながら、オレは頭で情報を整理していた。

が。

「『訳わかんねぇ』って顔してらっしゃいますね。
えーコホンッ。ご説明致しましょう。」

オレの心を読んだのか、スラスラと説明をしだす。

「まず、先刻のアレは私の魔法１ってとこですかね。
“アクシデント”。召喚言にこれが付くものは、
“幻影”や“幻”、“幻覚”を見せることが可能です。
もうひとつは追々。
ただ、前者と後者はリンクしており、前者で見せることが出来るのは後者で実現出来るものだけです。」

「……要するに？」

「今見せたもの、リアルで体感できますよ的な感じですね。」

成る程。
何となくは掴めた…と思う。

……っつうか。

「説明無しにすんなよ！すっげぇ怖かった！！
ねぇ、オレの足見て！？わかる！？生まれたての小鹿みたい！！」←

「ヒトはビビると小鹿になるんですね？」←

「違うから！比喩だから！！」

あんなに吃驚して損した。

オレは立ち上がりパンパン、とズボンをはらう。

「で、私の事…認めてくださいましたか？」

「……………………。」

なんだか、答えずらい。

「…A様？」

「…………………………。」

「Aさ」

「なあ。」

「…………はい？」

「オレがお前を護衛として認めるじゃん。したら、お前はどうするわけ？」

「…この命尽きるまで、A様をお守り致します。」

「要するに？」

「……要するに？」

「分かりやすく言うと？って事。」

「…相棒……ですかね。」

背中越しでも、しゅんとしているのがわかった。

「……でも、A様が認め」

「“様”、やめろよ。」

「……はい？」

「だから、オレに“様”とかいらねぇっての。」

くるっと振り向くと、レイチェルは面食らった顔をしていた。

「…で、ですが」

「相棒に“様”はいらねぇよ？」

ポカン、とした表情のレイチェル。

「…おいおい、わかんねぇの？」

「…相棒？私が？それはつまり、認めるって事ですか？私を？」

「……さあな。」

少し恥ずかしくなって顔を背ける。

「…………やった…！」

レイチェルはオレの背中に抱きついてきた。

「っ…離せ！！」

「離しませんよ…いえ、離さないよ、A！」

「…っ///(反則…。)」