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*南方へ*0* ページ11

石畳は、足音がよく響く。

コツコツと。

それが気持ちよくて。

でも、それはいつからか、恐怖と憎悪の音になってって。

安らげる場所なんて、ない。

そう痛感した時。季節は、冬。


真っ暗な部屋の中、オレはゆっくりと起き上がった。

ひと感覚空いて隣のベッドには、レイチェルがすやすやと眠っている。

嫌な夢を見た。

もうずっとずっと昔の事なのに。

着ている服は、汗でビショビショになっていた。

それが少し、肌寒かった。

「…………。」

レイチェルを起こさないように、ゆっくりとオレはシャワー室へと移動する。

その時、レイチェルが泣いているのにオレは気づかなかった。

*南方へ*1*→←*事の始まり*6*


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作者名:茶黒猫 | 作成日時:2014年12月19日 20時

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