211 ページ11
「･･･う、此処は･･･！」
「Aの馬鹿！！」
「はぁ･･･？」
目が覚めたら、春奈の罵倒が出迎えた。
本気でイラッとしたので、低い声が出た。
外を見れば、夕日が差し込んでいて。･･･練習終わりかな。
「貴方熱があったのよ！どうして言わなかったの！」
「･･･気づかなかったんだよ」
春奈から視線を逸らしたら、逸らした先に鬼道さんがいた。
周りを見ればメンバーがいて。
「･･･具合はどうだ」
「別になんとも･･･」
鬼道さんの声にそう返す。
「なんであの時、私の言葉を無視したんだ」
「･･･悔しかったんです」
「悔しかった？」
塔子さんの言葉にそう返す。
「･･･エイリア学園のシュートを打ち返せる、そう思ってました。でも、怪我はするしシュートは入らなかった。･･･こんなこと、初めてで」
僕は体操座りに座り直し、膝に顔を埋める。
「･･･焦ってました」
僕がぼそっとそう言うと、誰かが肩を叩く。
「焦りは禁物やで？」
「･･･リカさん」
「Aさんも焦るんですね」
「･･･馬鹿にしてるんですか、目金さん」
僕に向かって励ましの言葉が投げられる。
お陰で、少し元気が出た。
「･･･そういえば、円堂さんは」
「･･･まだ」
僕の質問に秋ちゃん先輩が答えた。
「お前、円堂の事散々言ってたじゃんか」
「･･･別に、嫌いなわけじゃありません。ただ、あの時の円堂さんは僕をサッカーに引き戻してくれた円堂さんではないって事です」
土門さんの言葉にそう返す。
「･･･心配、してます。僕も、あの人がいなかったらここに居なかった人間なんで」
「そうか」
僕の言葉に、鬼道さんが微笑した。
と、部屋に誰かが入ってくる。
「･･･A」
「瞳子姉さん」
瞳子姉さんだ。
周りの雰囲気が変わる。
「･･･夜に、余計な練習をしていたようね」
「ギグッ」
まさか、瞳子姉さんにバレていたなんて･･･！
「その体調不良は、昨日の天候の中での練習と夜中の過度な練習量によるものよ。･･･これ以上私に迷惑かけないで頂戴」
それだけ言って瞳子姉さんは出て行った。
「Aにまで･･･！」
「土門さん、僕は平気です」
だって僕は、あの言葉に隠された意味をちゃんと分かっているから。
本当の瞳子姉さんは、すごく優しい人なんだよ？
･･･だけど、それに皆が気づくのは遠いだろうな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 115人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恵野(プロフ) - 銀世界の姫騎士 レオさん» コメントありがとうございます。私の気分で更新するかしないかが決まってしまうのですが…汗 ありがとうございます！ (2020年3月11日 22時) (
レス) id: 6bb0d67502 (このIDを非表示/違反報告)
銀世界の姫騎士 レオ(プロフ) - すごく面白いです！これからも、無理せず頑張ってください！^^* (2020年3月11日 21時) (レス) id: 86c31a4b24 (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 聖ニャンさん» コメント遅くなりすみません…！汗 励みになります！ありがとうございます嬉涙 (2020年1月16日 17時) (レス) id: 6bb0d67502 (このIDを非表示/違反報告)
聖ニャン(プロフ) - 凄く面白いです!これからも頑張って下さい!応援してます! (2019年12月24日 23時) (レス) id: 69449d120b (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 水琴さん» コメントありがとうございます。更新は不定期ですが、宜しくお願いします！ (2019年11月4日 15時) (レス) id: 6bb0d67502 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恵野 | 作成日時：2019年11月4日 12時
