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再び目が覚めたら、前に目が覚めた時と同じような謎の空間にいた。
前は敵を殲滅しようと必死で気にしていなかったけど、まるでSFチックな部屋だな。
「A、聞こえるか?」
誰かが妹の名前を呼ぶ。
何処だ、何処にいる。
この空間の何処かに妹がいるのか・・・?
「A・・・?」
妹の名前を呼ぶ声がすぐ後ろで聞こえた。
気になって振り返ると___
「まさっち・・・?」
俺がかつて、競い合って、相棒だった『忍田真史』がそこにはいた。
「まさっち・・・、まさっちだよな・・・?」
俺は目の前にいる人物に必死に問う。
「ここは何処なんだ?どうして俺は生きている?俺は間違いなく・・・死んだはずだよな・・・?」
目の前の人物に俺はしがみつく。
・・・あれ?俺ってこんなに身長低かったっけ・・・?
いや、俺はまさっちよりは低かったけども、目線はほぼ同じだったはず・・・。
目の前の人物から離れて自分の身体を見る。
「・・・この服、Aの・・・」
「君は一体、誰なんだ・・・?」
目の前の人物が俺に向かってそう言った。
「俺は・・・、俺は香薫。A香薫だ・・・!」
「嘘を言うな!!」
自分の名前を言ったら怒鳴られた。
・・・この声は間違いなくまさっちだ。
「香薫だと・・・?彼奴は死んだんだ!Aをかばって死んだ!!彼奴は・・・!“黒トリガー”に変わり果てたんだ!!」
“黒トリガー”
聞いた話。
自身の命とトリオン全てを注ぐことで作ることが出来ると。
俺が死に際にそれを思い出して、Aのためにと願って、自分の僅かな命を使って・・・。
トリオンは殆ど残っていなかったから、ほぼ賭けだった。
じゃあ俺は___
「黒トリガーになることができたのか・・・?
じゃあ俺が“ここにいる”事は、どう説明すれば納得するのか・・・?
「黒トリガーに・・・なれた?」
まさっちがそう言った。
「A香薫は黒トリガーになった。そういっただろ?」
「・・・それがどうした」
“それこそ”が、俺がここにいる証明じゃないか・・・!
耳辺りが暑い。
そこに触れると、まるで心臓のように脈を打っているように感じた。
___さあ、存在証明を始めよう。
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恵野(プロフ) - functionさん» コメントありがとうございます!あ、アドバイスですか!?原作の設定をしっかり理解出来ているなら、大丈夫だと思いますよ!差し支えなければ、貴方様の作品を見に行かせて頂いてもよろしいでしょうか?陰ながら応援してます! (2020年5月24日 17時) (レス) id: d3fd993259 (このIDを非表示/違反報告)
function - とてもおもしろいです!引き込まれます♪私もワートリの二次創作小説を書いているのですが、何かアドバイスいただけないでしょうか。 (2020年5月24日 17時) (レス) id: a26c61826f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恵野 | 作成日時:2019年3月3日 19時