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「A、ちょっといいか」
「どうしたんですか、忍田さん」
部屋でゆっくりしていた所、忍田さんが部屋に入ってきてそう言った。
「根付さんがお前を呼んでいる」
「・・・何か話しでも?」
「ああ」
忍田さんの言葉にはてなが浮かぶ。
「行くぞ」
「うん」
・
「・・・すみません、もう一度言って貰えますか?」
「君に嵐山隊に入って欲しいんです。城戸司令には許可を貰っているので、後は君の返事だけです」
一度で理解出来なかったので、聞き直したが、空耳ではなかった。
根付さんに『嵐山隊』に入隊しないか、と言われた。
黒トリガー使いである私は隊に入る所か、作ることも出来ないから、確かに嬉しい話だ。
しかし・・・。
「広報、ですか・・?」
「ええ。君に是非、お願いしたいのです」
どうやら嵐山隊はボーダーの広報舞台になったらしい。
しかし、隊は戦闘員四人にオペレーターが一人の五人までのはず。
確か嵐山隊には枠なんて残っていないはずだ。
「柿崎隊員が脱退したんだ。枠が空いたんだ。男性だけでは、とAが選ばれたんだ」
忍田さんがそう言った。
「それに、君のお兄さんの香薫君はモデル経験があったそうですね。憧れたとかは?」
「・・・いえ。あまり良い印象はありません」
根付さんの言葉を否定する。
あの時の兄さんは、動けない父さんと働けない私の代わりに率先して出稼ぎしていた。
正直、見ていられなかった。
「A。香薫のあの時に状態を見て、好印象をもてないんだろう」
「・・・うん」
「大丈夫だ。香薫と比べたらそこまでハードではないはずだ。・・・彼奴は頑張りすぎていたんだ。見ていて目を背けたいくらいだったからな」
忍田さんの言葉に考え方を改めてみる。
そうだよ。兄さんがやっていたことを体験できるんだ。そう考えたら気持ちが変わった。
「・・・隊に入れるんですよね?」
「ええ」
「ランク戦も出来るんですよね?」
「勿論」
「・・・個人戦は」
「それはダメだ」
「ぶーっ」
途中まで根付さんが肯定してくれていたが、『個人戦』はダメだと忍田さんに言われた。・・・そんなあ。
「前から入りたいって言っていたんだから損ではないだろう?」
「・・・広報はおまけだと思っておきます」
「では、宜しくお願いしますね、A隊員」
こうして、私は嵐山隊に特例で入隊する事になった
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恵野(プロフ) - functionさん» コメントありがとうございます!あ、アドバイスですか!?原作の設定をしっかり理解出来ているなら、大丈夫だと思いますよ!差し支えなければ、貴方様の作品を見に行かせて頂いてもよろしいでしょうか?陰ながら応援してます! (2020年5月24日 17時) (レス) id: d3fd993259 (このIDを非表示/違反報告)
function - とてもおもしろいです!引き込まれます♪私もワートリの二次創作小説を書いているのですが、何かアドバイスいただけないでしょうか。 (2020年5月24日 17時) (レス) id: a26c61826f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恵野 | 作成日時:2019年3月3日 19時