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私は無意識に右耳に付けている黒トリガーと羽根のイヤリングに触れる。




「・・・私は、お礼の言葉が欲しいな」




私は、未だに支えて貰っていた烏丸君から離れて言う。

私も、彼と同じような境遇だった時期があるから、何か力になれることがあるなら、力になりたい。




「・・・ありがとう、ございます。A先輩」

「うんっ」




烏丸君にお礼を言われて、何だか嬉しくなった。

__と、後ろから誰かが降りてくる音が。




「逃げるなよ〜Aちゃん・・・、あら?お取り込み中だった?」




降りてきたのは、当然私を追いかけてきた迅さんで。

私の後ろには迅さん、目の前には烏丸君、と挟まれてしまった。

どうやって逃げ道を作ろうか考えていたとき___




「わっ!?」

「はい、“お取り込み中”なので邪魔しないでください、迅さん」




___私は、烏丸君に引っ張られ、彼の腕の中にいたのだ。

目の前には見開いた目で私を見る迅さんが。




「A先輩」

「っひ」




耳元に囁くように喋る烏丸君。

その声に反応して、変な声がでる私。

その声は本当に中学生なのか疑うほど。




「俺、先輩のこと好きです。だから、覚悟しておいてくださいね」




___今の何処に惚れる要素があったの!?

と、とにかくこの格好を見られるのは恥ずかしいっ。




「か、烏丸く、」

「『京介』。『京介』って呼んでください。でないと離しません」

「きょ、京介君・・・!ほら!言ったよ!言ったから、離して!?」




名前呼びをご所望の彼に名前を呼ぶが、一向に離してもらえない。

・・・目の前にいる迅さんはニヤニヤと私たちを見ていて、助けてくれる様子はない。

やっぱり、この人嫌いだ・・・!




「Aちゃん、京介は“呼び捨て”で呼んでほしいんだよ」

「・・・っ、そうなの・・・?」

「はい」




迅さんが教えてくれる。

教えるくらいなら、助けてくださいよ・・・!




「・・・京介」

「!」

「こ、これでいいでしょ!?早く離して・・・」




『京介』と、名前を呼ぶ。

・・・しかし、彼は離すどころか、私のお腹に回った腕の力は更に強くなって___




「離したくないです」

「えぇ・・・」

「今日は玉狛支部(ここ)に泊まってください」

「お、良い事言うじゃん京介。おーい!今日Aちゃんが泊まるって〜」




勝手に話を進めないでください迅さん・・・!





___結局、その日は玉狛支部に泊まったのだった。

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恵野(プロフ) - functionさん» コメントありがとうございます!あ、アドバイスですか!?原作の設定をしっかり理解出来ているなら、大丈夫だと思いますよ!差し支えなければ、貴方様の作品を見に行かせて頂いてもよろしいでしょうか?陰ながら応援してます! (2020年5月24日 17時) (レス) id: d3fd993259 (このIDを非表示/違反報告)
function - とてもおもしろいです!引き込まれます♪私もワートリの二次創作小説を書いているのですが、何かアドバイスいただけないでしょうか。 (2020年5月24日 17時) (レス) id: a26c61826f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:恵野 | 作成日時:2019年3月3日 19時

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