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「・・・私、そんなに大人っぽくないよ?それに、どちらかというと人見知りだし、あまり表に立つことは苦手だし・・・。余裕な所なんて何処にもない」



兄さんは大人っぽいけど、子供心を忘れないところがあった。

そして、戦う姿は誰よりも輝いていた。

・・・周りの人は『戦闘狂』だっていって褒めていたけど。


私は兄さんの後ろにずっとひっついていた。

だから、強いていうならサポートが得意だって言うことくらいだ。




「俺は、貴方の戦っている姿に見とれた」

「・・・え?」




下げていた顔をあげて、三輪君を見る。




「俺も、貴方みたいに強くなれますか」




三輪君のまっすぐな瞳に目がそらせない。




「・・・大丈夫。君は強くなれる」




私なんかよりも、ずっと。

近界民(ネイバー)を憎む心が、君を強くしてくれる。

間違った道に進みそうになるなら、私が何とかしてあげないと。




「・・・っ!?」

「私で良ければ、いつでも相手してあげる」




ねぇ兄さん。

兄さんが年下の人に接していたとき、こんな気持ちだったのかな。

どうしてか、放っておけないっていうこの気持ち。

弟がいたら、こんな感じなのかな。


私は怪我をしていない反対の手で、三輪君の頭を撫でる。

髪サラサラだな・・・。




「Aさん、恥ずかしいです・・・」

「あ、ごめんね。何か、弟がいたらこんな感じなのかなって思って」




本心を隠さず言う。




「・・・じゃあ、俺の事名前で呼んでくれませんか」

「いいよ?秀次君」

「呼び捨てが、いいです」

「・・・秀次」




名前を呼べば、嬉しそうな表情を浮かべる秀次。可愛い。




「お、Aちゃんと秀次じゃん。やっほ〜」




その声が聞こえた途端、私はすぐさま立ち上がって距離をとる。

医務室に迅さんが来たのだ。何故。




「そんなに離れないでよ、傷つくなぁ」

「わ、私はあの事のこと、忘れない!!」

「・・・Aさん、何されたんですか」




秀次が尋ねてきたので、後ろから抱きつかれて離してもらえなかった事を話す。

と、秀次が「迅・・・!」とすごいドスのきいた低い声でそう言ったので、もしや・・・と聞いてみる。




「もしかして・・・、迅さんのこと、嫌いなの」

「嫌いだ・・・!・・・です」




この日、私に同士兼弟(仮)が出来ました。

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恵野(プロフ) - functionさん» コメントありがとうございます!あ、アドバイスですか!?原作の設定をしっかり理解出来ているなら、大丈夫だと思いますよ!差し支えなければ、貴方様の作品を見に行かせて頂いてもよろしいでしょうか?陰ながら応援してます! (2020年5月24日 17時) (レス) id: d3fd993259 (このIDを非表示/違反報告)
function - とてもおもしろいです!引き込まれます♪私もワートリの二次創作小説を書いているのですが、何かアドバイスいただけないでしょうか。 (2020年5月24日 17時) (レス) id: a26c61826f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:恵野 | 作成日時:2019年3月3日 19時

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