検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:188,780 hit

15 ページ15

視界が明るくなる。









『・・・お願い、兄さん。私に応えて・・・!』









可愛い妹のお願いを聞かないわけないだろ?









「当たり前だろ、A」









聞こえたかな、俺の声。



少し、黒トリガー(じぶん)について分かった。

換装時、意識が交代してしまうのは、俺の魂が黒トリガーに“封印されている”から。

そして、俺の魂が封印されてしまったのは、作成したときの状態が恐らく関係している。

このトリガーの性能も。



黒トリガーを作るのに必要なのは作成者側の命とトリオン。

それを全て注ぎ込んでも作れるかは運がつく。

俺が生前、最上さんに聞いた話だ。

どうやら俺はトリオン量がかなり多いらしく、副作用(サイドエフェクト)を持っている、と最上さんに言った時は驚かれず、逆に「あって当たり前だよな」的な事を言われた。

副作用(サイドエフェクト)を持つものは黒トリガー作成の成功率が上がるとも言っていたな・・・。

そのお陰で、作成に成功したのか?



魂が封印されたことで、生きている感覚ではあるけれども、俺の身体は黒トリガーだ。死んでいることに変わりない。

だから、俺という存在を見せるわけにはいかない。



「・・・聞こえるか、A」



この声、きどっちだな。



「・・・はい」



黒トリガー(おれ)が着いている右耳ではなく、反対から聞こえた声。・・・通信機か?

返事をすれば聞こえたようで、通信越しからいろんな声が聞こえる。

・・・これは、前にまさっちから聞いた話が関係しているんだろうな。

大変迷惑をかけていたみたいだし。

口に出して言えないから心の中で謝っておくな。スミマセンデシタ。



「これから、対人戦をしてもらう。そこから、黒トリガーの扱い方を学べ」

「・・・実践で身につけろ、と言うことですか」

「そうだ」



いや、初っ端それはないだろきどっち・・・。

それよりも__



「どんな戦い方をするのか、見物だな」

「ええ。初期メンバーであるAさんの実力、見せていただきましょう」

「前のような失態がなければいいですけどねぇ」



誰だ、この声三人は。

生憎、俺はAの記憶を読み取ることは出来ない。

よし。この人たちに話しかけられたらその場の雰囲気で乗り切ろう。



「それで、相手は誰なんです?」

「俺だよ、Aちゃん」



その声は俺が昔から知っていたとある男の声だった。

16→←14



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
194人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

恵野(プロフ) - functionさん» コメントありがとうございます!あ、アドバイスですか!?原作の設定をしっかり理解出来ているなら、大丈夫だと思いますよ!差し支えなければ、貴方様の作品を見に行かせて頂いてもよろしいでしょうか?陰ながら応援してます! (2020年5月24日 17時) (レス) id: d3fd993259 (このIDを非表示/違反報告)
function - とてもおもしろいです!引き込まれます♪私もワートリの二次創作小説を書いているのですが、何かアドバイスいただけないでしょうか。 (2020年5月24日 17時) (レス) id: a26c61826f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:恵野 | 作成日時:2019年3月3日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。