第31話Sideノーマン ページ31
「俺はこいつと違って疑り深いんでね
このミネルヴァって男確かに味方かもしれん＿＿＿だが生死も判らん相手だぞ
期待しすぎるのはどうかと思うね」
「またそういう…！」
「でも
『外』に味方がいた 今もいるかも知れない」
今もいるなら『外』に人間の社会も＿＿
W・ミネルヴァ＿＿この人は『外』にいて農園の存在を知っていて間接的にではあるけど僕らを助けようとしてくれている」
「ねっ
こんなメッセージこの人の本にだけそれにこの紙がいつ貼られたものかわかんないんだけど
あの時の本にもホラ貼られてるんだよ」
あの時の本…？
「『機械工学と人類の歩み』」
アオがボソッとこの本の題名を呟いたから話しかけようとして顔を見るとアオはこれまで見たことも無いような悲しそうな顔を浮かべていた
いやミネルヴァさんの話になってからなんだか少しアオの様子がおかしい
悲しそうというか‘’何かを悔いている‘’ような顔をしている
「…これレイが前に見せてくれた2015年発行の本」
つまり少なくともこの一枚は2015年以降に貼られたということ
「他に……他に判ることはないの？本の中身や傾向に共通点とか…」
ないよ…あの2冊以外は
「特にないかな…ジャンルの雑多…出版社や出版年も…」
「でもアレ！」
「ええとどれだ？」
「違うその下」
「これだ！！
この２つだけモールスの意味がわからない」
「モールスがないマークと…もう一つはーー」
『PRO…MISE』‘’約束‘’……？
なんだ……？
「中身はよくある冒険小説とよくわかんねぇ神話の本だったかな」
ところどころ破れているページもある…
「私これ意味あると思うんだよね一つだけモールスがないのとかページが破れてるのとか‘’約束‘’ってメッセージにも」
「この2冊は特別ってこと？」
「うん！なんというか……
私たちにとって何か大切な道標になるような気がする」
「根拠は？」
「勘」
レイがなんとも言えないような顔してる
「何その顔！！」
「でも確かに調べて見る価値はある
ミネルヴァさんとその本の謎」
レイが僕たちに時計を見せる
「あっ」
「そろそろ行こう僕らも夕飯の準備しないと」
ちらっとアオの顔を見るといつもの表情に戻っていた
アオ君は何を隠しているんだ？
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作者名：八重黒 | 作成日時：2022年8月8日 2時
