嫌いになりたい【wrwrd!】 (ページ31)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:151,673 hit

30 ページ31

.

『久しぶりだな、我々国』

「突然のお別れだったもんね。裏切り者扱いされなきゃいいんだけど」

『んー、その時はその時だよ』

やってきました我々国。堂々としているつもりだが、王様なのに護衛を私一人しかつけていないため観光客と思われているような気がする。門番にはちゃんとチェックされたから、幹部には連絡が行ったとは思うから噂になっててるかもしれないけど。

門番くんも知り合いだったので軽く挨拶をしておいた。何故か泣きそうな顔をされたけど。

「あの門番くんさ、泣きそうだったよ。Aを頼むって言われちゃった」

『あはは、そんな関わってないのに。優しいねぇ』

ぴくとくんがそんなことを話していると私を見て固まる人が。あぁ、あの人は。

「…A、様？」

『あぁ、店主さん？お久しぶりです。突然いなくなってしまい申し訳ありませんでした。お元気ですか？』

前に見回りの時に話した人物だった。私が言い終わると、目に涙をためて必死に話してくれた。ここまで、心配かけていしまっていたのか。

「A様ｯ！！ご無事で、なによりです！A様がぴくと王国で働くと知った時には、安心しました。A様が開放されるんだって」

『ふふ、ありがとうございます。あちらに行っても、国民のことは忘れませんでしたよ。またケーキ買わせてくださいね』

「もちろんです！」

他愛もない会話をしようとすると店主さんの視線がぴくとくんに行っているのが分かる。そっか、紹介してないわ。っていうか王様の顔くらい知っててもいいと思うんだよね

『あ、こちら私の雇い主のぴくとくんです』

「ども、ぴくとです」

「ぴく、と……ぴくと王！？道理で見たことがあると、まさかA様は今日は」

『ぴくとくんの護衛ですね。外交が明日あるので』

「そうだったんですか！今日一日は観光で？」

「Aが遊びに行きたいってごねて。しょうがないから連れてきたんすよ」

『ちょ、ぴくとくん！？』

なんてことを言ってくれるんだコイツは。そんな子供っぽい所知られなくっていいのに。ニヤニヤしているのうざい。やーめーてー

「ふふ、では私が長く引き止めているわけにもいきませんね、また子供達と遊んで下さい」

『ありがとうございます…ぴくとくん絶対子供達と一緒に遊ばせる』

鬼ごっこで鬼をやらせて私が全力で煽ってやる。そう悪巧みをしていると冷や汗を垂らすぴくとくん。絶対逃さない。