嫌いになりたい【wrwrd!】 (ページ32)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:151,713 hit

31 ページ32

.

目の前にそびえ立つは、城の門。

昨日は子供達と遊びまくったのでぐっすり寝ることができました。
今は迎え待ちです。仮にも一国の国王とその護衛なので。

「お待たせ致しました」

来たのはオスマンだった。一度こちらを見て驚いた顔をしたが、すぐに戻し案内を始めた。

道中は私とぴくとくんの声だけだった。決してオスマンは会話に入って来ないで、淡々と前を歩いていただけだった。

会議室の前につくと、オスマンは扉をノックして開けた。そこには、グルッペン、トントンがいた。空いている席にオスマンが座り、残りの１席はぴくとくんが座った。

私？護衛なので、ぴくとくんのななめ後ろに立っておりますが。

「遠路はるばるご苦労」

「いや、いつもグルッペンさんが来てくれているじゃないですか。時々はこういうこともあっていいんですよ」

「まぁ、そうだが…」

トップ同士が話をしていると、隣のトントンが震えているのが分かる。こちらを見た時からずっとだ。

「…Aｯ！」

『どうしましたか。トントン様』

「…あの時のこと、後悔しとる。ほんますま」

『仕事の用でないのなら発言は控えて下さいますか？』

嫌な予感がしたので話を遮りキツく言った。

もしかして、謝りたかった？いや、そんなはずはない。だって彼らは私のことが嫌いで、嫌いだからいじめてきた。それだけだろ。
それに、今更謝ったってもう遅いんだ。

「トントン、後にしろ。まずは話し合うのが先だろ」

「…せやな」

そんな嫌そうな顔をしなくても。

上にある脅威の気配を気にしながらも、話し合いは進んだ。私は進言することもなく終わった。グルッペンがちらちらと気にしていたのは気になったけども、戦争の話になるとぴくとくんが軽く引いていたのは面白かった。

「では、これにて終わりにしようか」

「ですねー、結構な時間話ましたしね。A、行こうか」

『うん』

「、待ってくれや、A！！」

『…如何致しましたか』

「あんな、話したいことがあんねん、聞いてくれるか？」

必死に話すトントン。オスマンも外交官のくせに焦った顔が出てしまっている。

私はぴくとくんの方を見て、話していいか許可をもらう。ぴくとくんは優しく微笑み、許可を出してくれた。
そしてグルッペンはインカムに手を当て

「Aに話したいことがあるやつは全員会議室に来い」

と言っていた。その瞬間ゾムは降りてきた。表情はフードでよく見えなかった。

.