病 弱 な お 姉 ち ゃ ん 弍【神威】

白昼夢 ページ6

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姉side




命の価値なんて、私にはわからない。
命の重みなんて、私にはわからない。
命の尊さなんて、私にはわからない。



だって、私は死んだことがないんだから。



私は幾度も 殺 された。何度も斬られて貫かれて刺されて抉られて焼かれて撃たれて喉を潰されて毒を盛られて…。でも、どれもこれも死ではない。
死とは、殺 されたら最後意識は戻らず息をすることも生き返ることもないの。
なら、私はどうなる？
私は、殺 されても意識は戻るし息もするし生き返る。これは、矛盾している。



虚ですら死は訪れるのに。



どうしてなの。何故なの？私だけ、死は訪れない。



人の死も天人の死も平等なのに。
どうして私にはないの？
虚ですら繰り返し死を味わっているのに。
どうして私には訪れないの？


私は、心臓を貫かれても死なない化物。
虚は、死んでも生き返る化物。


どちらも、不幸で不幸せ。









どうして私だけ__________





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目を開いた。視線の先は見慣れた天井。何時もの私の部屋。何時もの褥。








「ここは？…私」







まだ、頭がはっきりしない。
ぼーっとする頭に手を当てたその時だった。






ガチャ


？「あ、お姉ちゃんやっと起きたネ！！」


？「姉さん！大丈夫？」


？「A、具合はどう？まだ痛むなら夕飯はもう少し後にしようか？」


？「A！無事か！？父さんが誰かわかるか！？」






…ふふっ




「…もう大丈夫よ。神楽、神威。夕飯なら少し後がいいかな、母さん。クスッ…父様でしょう？私の父親で、エイリアンバスターしてる私の父様。」






そう言えば父様は良かっだあああって泣きながら喜ぶから、なんだか可笑しくなって私も吊られて笑った。







→続


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【白昼夢】

日中、目を覚ましたままで空想や想像を夢のように映像として見ていること。また、そのような非現実的な幻想にふけること。

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