prologue ページ2
・・・
「言葉だけ。空気だけ。貴方が生きているという証だけ。」
「我々は死を求めている。しかしこの死ではない。」
「貴方の体は貪られながらも生きている。」
・・・
それは、カフェでのほんのひと時の、いつもの日常で起こった。
「音無Aだな」
コーヒーを飲んでいると、金髪の男性に話しかけられたのがまず序章である。
知らない、見たこともない人だった。
私はしばらく考えていたが、やはり知らないんだ、こんな人。
『えっと……どちらさま？』
「………その調子だと、何も知らないって感じだな」
何も知らない？私がいったい何をしたっていうんだ。
昨日、一昨日、一週間前、思い返してみるけれど何も起こっていない……なんも変哲のない普通の
日を毎日過ごしていたハズ。
「二週間前、アンタは人が死んだのを見たか？」
『………人が、死んだ？』
私はやっと思い出した。
そうだ……彼氏にフラれて路地裏でふてくされて泣いていた時だ。
彼氏にフラれた理由っていうのは彼が好きな女を抱いたっていう、しょうもない理由。
…………………………そうだ。その時に断末魔が聞こえて…………………
『…………わ、私を、殺すの』
「その通り。見られちゃまずいお仕事なんでな」
『…………………そう、ですか』
憂鬱な日だ。
彼氏にフラれて、今日殺される。
お父さんお母さんお姉ちゃん、ごめんなさい。
私、今日が命日です…………………
「殺そうと思った、が……」
男はにらみを利かせた瞳を柔らかくして、私の隣に座った。
煙草を吸う。
「死ぬ前にストレス溜めこまれて俺が恨まれるってのもごめんだ」
『………優しい方ですね』
このとき、私はなんとも言えぬ感情に浸った。
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苺タロー(プロフ) - るるんばさん» コメントありがとうございます。この夢主のモデルは高橋留美子さんの代表作「めぞん一刻」の音無響子さんをモデルとしております(*^^*) (2020年3月25日 8時) (
レス) id: f83d26a437 (このIDを非表示/違反報告)
るるんば - 夢主が未亡人っていう発想はなかった…！面白いです！更新頑張ってください！ (2020年3月24日 15時) (レス) id: 4059712eb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺タロー | 作成日時：2020年3月22日 22時
