No.03 ページ5
「此処が私の仕事場だよ」
「大きい」
「そうだねぇ」
表情は変えないがキョロキョロ辺りを見渡す時祢に思わず頬が緩む。
…森さんに逢わせたくなくなってきたなぁ。
そう思いつつ、私は彼女の手を引いて昇降機に乗った。
ふわりと浮くような感覚に少し驚いた様に私の腕にしがみつき、直ぐに離れた時祢。
握っていた手迄外されている。
私は彼女の頭を軽く撫でた。
「此から或る人に逢いに行くよ」
「或る人?」
「そう。まあ時祢くらいの女の子には物凄く甘い人だから心配は要らないさ」
「そう」
其れだけ云って開かない昇降機の扉をジッと見詰める時祢を私は見下ろした。
矢張り、似ている。
違いは私は演じているが、彼女は演じていないという点だけだ。
必要最低限しか話さない時祢だが、嫌われてはいないらしい。
其の証拠に、私の手から離れた彼女の手は私の外套を握っていた。
大人びてはいるが未だ8歳だ、多少の緊張や不安はあるだろう。
私は彼女に裾を握らせた侭、目の前で開かれた扉に向かって歩き出した。
******
新たに評価してくださった方が2人も…!
其れにお気に入り登録者様ももう6人に…!?
有り難う御座いますっっ!m(_ _)m
898人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麗葉 - 大好きすぎて気づいたら四回も?読んでました(笑)体調に気をつけて頑張ってください! (5月2日 21時) (レス) id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 猫好きさん» 本当にそうよねえ奥さん←←もう先生は私を苦しめようとして来てるとしか思えないですよ…小学校卒業して「よっしゃマラソン大会無い!」からの長距離走があった絶望感…(´・ω・`) (2019年1月1日 23時) (レス) id: 424c23822c (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - ホントですよ…マラソン大会とかは真面目に荒そうかと思いましたよ…ホント、やぁねぇ奥さん← (2019年1月1日 20時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 猫好きさん» 大丈夫ですよ!立ち眩みは現在学生の私でも日常茶飯事ですから…………orz 体育の長距離とか本当にもう……………………殺しに来てますよ…(´・ω・`) (2019年1月1日 14時) (レス) id: 3546326a0b (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 1km全力疾走?アハハ…知らないの?僕ヒキニートだから歩くだけで立ち眩みするのw( °∇^)] (2019年1月1日 13時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:凛 | 作成日時:2018年8月14日 11時