No.34 ページ36
「ポートマフィアの銃火器は皆高性能でね、高く売れるんだよ。私の社の食料品に紛れさせればバレないし、ポートマフィアでも把握出来ていないルートを持っているんだ」
「凄いですね。では、其の銃火器を外の国に?」
「嗚呼、亦来週大きな取引相手が来るんだよ。とても大きな船も来るから見に来ると良い」
時祢は男が垂れ流す情報を頭の中で書き留めていた。
男に酌をすると云い、ポートマフィアが製造した自白剤を入れた。
酔いも回り、彼女が少し会話を誘導するだけで面白いほどに情報を漏らす。
目的である情報を入手したので、あとは怪しまれないように出るだけ。
だが、此処で緊急事態が起きた。
「時祢ちゃん、少し愉しい事をしないかい?」
男が下卑た笑いを浮かべ、立ち上がった。
時祢は本能的に危険を感じ、ドレスに隠れたナイフを確認した。
腕を掴んできた男を見上げる。
同時に、男の視線が自分の顔にだけ向いていることを確認してホルダーからナイフを抜き取った。
「私はね、君くらいの女の子を愉しませるのが得意なんだよ」
「でも、夜には帰るように御父様に云われてるんです」
「大丈夫。何も心配は要らないよ」
腕にぐ、と力が込められたとき、時祢は動いた。
「異能力【桜桃】」
腕飾りの釦に触れながら凛と言い放ち、大量の桜の花弁を男に向けて飛ばす。
それに怯んだ男の鳩尾を思い切り蹴り、机に押し倒して鼻先にナイフを突きつけた。
中也からの教え通り腹部を確りと踏み、泥酔している男では起き上がれない。
男は数秒混乱して固まった後、冷や汗を流す。
「な、な…」
「貴方はポートマフィアの構成員という肩書きを持ち乍らポートマフィアの銃火器を横流しした。知られては居ないと思っていたのだろうけど、首領は知ってる」
「君、は」
「________ポートマフィア構成員、太宰時祢」
彼女がそう云い放った瞬間、扉が破壊された。
押し入ってきた戦闘部隊が一斉に男に銃を向けた。
時祢は足を降ろし、ナイフをホルダーに直した。
そして、思い切り抱き締められた。
「お疲れ様。あとは私に任せなさい」
優しい声に時祢は数度瞬きをして、張っていた緊張感がふつりと切れ、気を失った。
太宰は彼女を見るのとは正反対の目で男を見据える。
「拷問部屋に連れて行け。私がやる」
男に、死刑より重い宣告が下された。
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麗葉 - 大好きすぎて気づいたら四回も?読んでました(笑)体調に気をつけて頑張ってください! (2023年5月2日 21時) (レス) id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 猫好きさん» 本当にそうよねえ奥さん←←もう先生は私を苦しめようとして来てるとしか思えないですよ…小学校卒業して「よっしゃマラソン大会無い!」からの長距離走があった絶望感…(´・ω・`) (2019年1月1日 23時) (レス) id: 424c23822c (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - ホントですよ…マラソン大会とかは真面目に荒そうかと思いましたよ…ホント、やぁねぇ奥さん← (2019年1月1日 20時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 猫好きさん» 大丈夫ですよ!立ち眩みは現在学生の私でも日常茶飯事ですから…………orz 体育の長距離とか本当にもう……………………殺しに来てますよ…(´・ω・`) (2019年1月1日 14時) (レス) id: 3546326a0b (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 1km全力疾走?アハハ…知らないの?僕ヒキニートだから歩くだけで立ち眩みするのw( °∇^)] (2019年1月1日 13時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛 | 作成日時:2018年8月14日 11時