【銀魂】鬼の副長には好い人がいるらしい。

噂話が7つ ページ7

そうしてその日は私の参戦により土方くんが折れ、坂田くんと飲むことに成功したのだが。


「はぁ！？」


「だーかーらー！今度は俺が女を取り合いしてるって噂が流れてんだよ！」


急遽土方くんから連絡があり、仕事終わりにいつぞやの個室料理店にて緊急会議を開くことになった。
そこで出された話題はまたもや土方くん関連の噂話。
どうやら昨日の坂田くんとのやり取りを誰かが見ていたらしい。
そして私が坂田くんと飲みに行ったものだから、フラれたという噂まであるとのこと。


率直に言おう。
私、巻き込まれすぎでは？


ピンポイントに土方くんの恋愛事情の噂話だけを流すなんて、土方くんをストーカーしてる誰かの仕業にしか思えない。怖いよ私、そのストーカーに殺されたりしない？ただの友達なんだけどな……そんな、恋愛感情なんて持ってないんだけどな……


「も〜、この前は"会うのやめよう"って言うし、昨日は"俺と飲め"って言うし、あんたどうしたいのよほんと。今度はまた"飲むのやめよう"なんて言うんじゃないでしょうねぇ？」


「いや、言わねえ。だがあいつに負けたみたいで気に食わねえ。だから、まァ、前より頻度は多く出来ねえかもしれないが、また飲み付き合ってくれないか」


「へ」


「あ？なんだそのアホ面は」


まさかそんな答えが返ってくるとは想像もしていなかった私は開いた口が塞がらなくなる。
てっきり、また飲むのやめると言うのかと思っていた。矢張り、土方くんと坂田くんの間には何かあるのだろうか。いやでも土方くんとは付き合い長いけど、坂田くんのことなんて聞いたこともないけどなあ。


「女性に向かってアホ面とは失礼な！ちょっとびっくりしただけだよ。でも安心した、また土方くんと飲めるもん。」


へへっと笑ってみせると、今度は土方くんの表情が固まった。


「何その顔！？」


「いや、お前も笑うんだなと」


「いつも笑ってるじゃん？スマイルいっつも提供してんじゃん？」


「は？いつも仏頂面してんぞお前」


「それは幻覚だよ、土方くん！」


「へーへー、そういうことにしとくよ」

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