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2話目 ページ3

とても長い間眠っていた気がする。
肌に触れる冷たい風でここが教室ではないに気づく。
服は制服のまま。
けがもしていない。
「ここは……どこ?」
石で作られた大きな牢屋。
「私は確か、教室にいたはず……。」

ドンッ。
「うわっ!」
振り返った拍子に何かにぶつかった。
目をあけると、そこに黒髪の青年が倒れている。

「あの……。大丈夫……ですか?」
返事がない。
気絶しているみたいだった。
とりあえず、青年が起きるのを待つことにしよう。
そこに転がっている石で好きな漫画のキャラを描く。
私の周りは徐々に絵で埋めつくされていった。


地面に落書きをしながら待って、二時間ほどたっただろうか。
そろそろ待つのも飽きてきた。
横目で青年の方を確認する。
「起きないなー。」
つぶやきながら、次の絵を描こうとしたときだった。
「ここ……どこだ……?」
「うっ、うわあっ。」
突然起きた青年に驚き、情けない声が出てしまう。
青年の方もこちらの顔を見て、びっくりしているようだ。

しばらくの間、沈黙が続く。
先に口を開いたのは青年の方だった。
「あんたは、誰なんだ?」
青年は、私から少し視線を外した。
「……私は、住崎(すみざき)A。……普通の中学生です。」
青年はなんの反応もなく、うつむいたままだ。
何を考えているのだろうか。
その顔は無表情で、感情を読み取ることができない。
「あ……あの……。聞いてますか……?」

ふと、青年が顔を上げた。
「おっ、俺はっ……如月伸太郎……。Aは、ここについて何か知ってるのか?」
ここが何なのかは、私も聞きたいくらいだった。
「私は、目が覚めたらいつの間にかここにいました。ここが何なのかはわかりません……。」
「俺もあんたと同じだ。見たところ、ここは牢屋みたいなんだが……。」

そのとき、遠くから足音が聞こえてきた。

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優奈*咲 - 1日乗り遅れた(^ρ^)カゲプロばんざい!!私も書こうかな((掛け持ちしすぎ))更新応援してます (2016年4月16日 21時) (レス) id: 33b4d713c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オレンジウォーター | 作成日時:2016年4月15日 21時

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