儚く愛おしい君に送るアイの唄

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[カノside]




僕は捨てられた





真冬のゴミ捨て場で、ダンボールの中で死んでいくんだって思ってた








「生きてるかい？」







そんな時、声が聞こえたんだ







僕を抱いて優しく笑う女の子の顔








哀れんで僕を拾ったのかな・・・
だったら、あのまま捨ててほっといてほしかったのに








あ「ついたよ」







家の中に入ると、結構和風の作りだった
僕を隠すように「鳴いちゃダメだからね？」と一言いってカバンにしまわれた







少し薄暗くて、僕はだんだん怖くなっていった








前の家でも、これ以上に暗い部屋の中に入れられて散々いじめられたあとぽいされた
なぜだかそれが、頭に残ってつい「怖い・・・」と鳴いてしまった









「ん？今、猫の鳴き声聞こえなかった？」







外から女の人の声が聞こえてくる








あ「きっと野良猫ですよ」







「そうね。それより、検査はどうだったの？」








あ「今のところ安定してるって言われました。すみません、ご心配かけてしまって」







「いいのよ、あなたが生きててくれるだけで十分」









どういうことなんだろう
この子は、病気なのかな？でも、ピンピンしてる









少しの振動を感じたあと、カバンのチャックが開いて眩い光が差し込んできた






あ「危なかった・・・」





脱力したように言うそのこを下から覗き込むように眺めていた






あ「ほら、出ておいで」







言われた通りヒョイっと出ると、そこは見たことない部屋
生活感があまりない、家具は必要最低限のものしかおいていない寂しい部屋だった








あ「君の名前、カノっていうんだね」









僕の首輪を見て名前を呼ぶ







なぜだか、それが嬉しくて僕の首に触れている手を舐めてみた









あ「可愛い」








こんなに優しく触れられたの初めてだ







嬉しくて、僕はゴロゴロと鳴いた

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