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34.「サマータイムレコード side白&黒」 ページ36

三人称side

 アオイとサツキは、とあるビルの屋上に居た。立ち入り禁止のそこは、勿論「移す」でなければ入れない。
アオイ「どうして、ここへ来た」
 サツキは小さな笑みをこぼす。
サツキ「分かってるでしょう?
もう一度、ボクとお手手繋いでこの世を儚んで、ここから飛び降りて欲しいんです」
アオイ「正気か」
 短い問いは相応に鋭い。
サツキ「まさか。ボク達化け物にそんなものあると?」
 ビクッ、とアオイが反応する。それからサツキの肩を掴み、
 ゆっくりと、ぎこちなく、抱き締めた。
アオイ「やめてくれ。…やめて。そんな言い方も、これからしようとしてる事も、あんまりだ。それに、」
 アオイが一瞬言葉に詰まり、サツキは、目敏く耳聡くそれを問うた。
サツキ「それに…何ですか?」
アオイ「それに、私は…私は、サツキが良いと、言ってくれるなら…」
 アオイの顔が赤い。目も潤んでいる。それからーーー
「つ、付き合って欲しい」
「…え?」
 アオイがさらに顔を赤くし、サツキもだんだん意味を理解し頬を紅潮させていく。
サツキ「えっ、えぇー…本当に?ホント?」
アオイ「ええと、いや、ほら…
新作!新作出すのに付き合って欲しい!」
 いかにも苦しい言い訳だが、サツキもこれ幸いと食いつく。
「構成はーー」「視点はーー」「長さはーー」
 気づけば、二人はその話に熱中していた。
サツキ「楽しみ、ですね!」
アオイ「そうだな、だが…
書けるだろうか?」
 アオイの懸念はサツキにも伝わる。
サツキ「大丈夫ですよ。頼れる人も、いますし」
アオイ「…そうだな」
 それから、二人は暫く風に当たった。

「さっきの、話だが」
「…はい」
「私の、本心だ。私は、サツキが好きなんだ…と、思う」
「何ですか、それ。…ボクもですよ」
 二人は目を合わせて、小さくはにかんだ。
アオイ「そう言えばーー、タイトル、決まってるんだが」
サツキ「今言います?」
アオイ「これでも恥ずかしがってるんだよ。それでだ」
サツキ「はいはい。
タイトル、もう決まってるんですね!流石アオイ!聞かせて下さい!
…これで良いですか?」
アオイ「そう怒るなって…」
 やいのやいのと、屋上がまた騒がしくなる。
 それが、二人が能力を手に入れてからの、とても遅い再出発だった。

『サマータイムレコード by皐月 葵』

−−.「     」→←33.「サマータイムレコード side赤&黄緑」



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作品ジャンル:アニメ
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夜行* - んんんやばいキャラに合いすぎてますわ…(アッ彼奴です話してくれたやつです(わからない()間違ってたらごめんなさいノ;uωu) (2017年2月21日 17時) (レス) id: 391b6a4cc6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:一夏 白 | 作成日時:2017年2月20日 17時

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