30.「宵闇の、入口の様な」 ページ32
シンタローside
いつの間にか、メカクシ団のアジトに居た。
「冴える」が居て、コノハは勿論居なかった。
ろくでなし理科教師は転がっていて、九ノ瀬先輩は見えなかった。
(((((アオイ)))))と(((((サツキ)))))が口を開く。
(((((アオイ)))))「…遅いぞ、シンタロー」
(((((サツキ)))))「全くですよ、もう…」
…おい。
二人には、悲壮とか、悲痛とか、そういった物が足りなかった。
多くの団員が無傷で立っていて、
(((((アオイ)))))と(((((サツキ)))))は其々足を撃たれて居たというのに。
ｼﾝﾀﾛｰ「お、前ら…」
でも、二人が悲壮とかけ離れた振る舞いをするのなら、オレもそれに倣おう。そう思って再び口を開く。
「ああ。『ヒーロー』は、遅れてやって来るもんだろ？」
軽口を叩くと、くすり、と笑いながらアヤノがオレの背中の陰から出る。
ｱﾔﾉ「ふふっ…かっこいいね、シンタロー君」
「姉ちゃん！！！」
一番大きく驚いたのは、カノだった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
オレと「冴える」は睨み合っていた。
オレは、焦っていた。
九ノ瀬先輩は、出て来ない。
ｷﾄﾞ「何を待ってるんだ」
ｱﾔﾉ「九ノ瀬先輩…ええと、つぼみが学園祭で会った男の人だよ」
ｶﾉ「ああ、あの人」
ｾﾄ「…？プリンの人っすかね」
危機感の無い会話だった。
少し苛つくが、考えろ。
ふと、閃く。そうだ、待っているのではなく、こちらから動けば良い。
どうする？
それなりに優秀な頭脳をフル回転させ、オレは一つの答えに辿り着く。
「マリー！能力を、使え！」
簡単な事。アザミが「カゲロウデイズ」を作ったならば、その能力を引き継いだマリーも開ける筈だ、と。
冴える「や、めろおおおおッ！！！」
「冴える」はそれを理解して、力ずくで止めようとして来る。
「アタリか」
オレは、は、と短く笑った。
「…邪魔しないで」
冷たい声がした。マリーの声だった。
目は、赤かった。
「ぐ…うう…！」
「蛇」自体は動けるのか、コノハの体から黒い影がカゲロウの様に立ち揺らめいた。
マリーの目が急速に赤さを増していく。
そして、マリーのバックに大きく黒い口が開いた。
それは、
夜の闇の暗さをしていた。
31.「願い、或いは刑の宣告」→←29.「 ア イ タ イ セ カ イ 」
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夜行* - んんんやばいキャラに合いすぎてますわ…(アッ彼奴です話してくれたやつです(わからない()間違ってたらごめんなさいノ;uωu) (2017年2月21日 17時) (
レス) id: 391b6a4cc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一夏 白 | 作成日時：2017年2月20日 17時
