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25.「二重世界」 ページ27

シンタローside

映像が進んでいく内に、見慣れた街の風景が映る様になった。

シンタロー「オレ達の、街…」
5時のチャイムを「パンザマスト」と呼ぶ、街。
その音楽に、ある子供は寂寥を覚え、ある少女は決意を胸に抱き、ある少年は絶望していたのだろう。

記憶の中で、その音楽はいつもオレ達の隣にあった。

更に映像は進んでいき…



そして、少年が、日の当たらない腕を四角い画面に伸ばした時。
サツキ「映像が、止まった…?」

ぴたりと、早回しのフィルムの様な映像は止まった。

アオイ「どういう事だ?…なあ、アザミさん。分かるか?」
アザミ「えっと…これは」
シンタロー「まさか分からねえのか?」
アザミ「う…こ、これくらい分かるわ!

…、これは、『分岐点』だ。」

分岐点、とアザミが口にした途端、アザミの周りの空気がざわざわとする。

アザミ「能力のある者が、本来の運命と違う行動を取った時…

…『セカイ』が、変わるんだ」

その言葉と共に、部屋に再び映像が映し出される。
但し、二面に、だ。

シンタロー「オレは右を見る。そっちは左を頼む」

そして、
オレの画面には、
鋏を喉に突き刺した少年が写った。



全てを、思い出す。
「ああ…そうだ、オレ、オレは…!」
自分で、命を絶ったんだ。
思い出したくなかった。
何も、何も。何もかも。
心が、酷くざわついた。
思い出せ。思い出せ。…そんな風にオレを責め立てる。
思い出してはいけない事まで、思い出してしまいそうだった。



映像は続いていく。
メカクシ団は、オレが居なくても回っていた。だけど、見ていてエンジンがないのかなと思う、達観した様で、諦観した様な、…
オレの知ってるメカクシ団では無かった。
…オレの居たメカクシ団では、無かった。
でも、それでも。
酷く煩わしいと思っていた、あの声を、あの言葉を思い出す。

「…自惚れだろ、『ヒーロー』なんてのは、な」

少し期待してしまったオレ自身に苦笑した。

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設定タグ:カゲロウプロジェクト , 百合 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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夜行* - んんんやばいキャラに合いすぎてますわ…(アッ彼奴です話してくれたやつです(わからない()間違ってたらごめんなさいノ;uωu) (2017年2月21日 17時) (レス) id: 391b6a4cc6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:一夏 白 | 作成日時:2017年2月20日 17時

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