今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:1,202 hit
小|中|大
第十九話 ページ22
「この脱け殻の重さは、二十一グラムだ。多分」
ドールは出し抜けにそう語る。
「ど…どうして分かるんですかっ?」
モモが本当にびっくりした様子で訊ねる。しかしドールはしばらく答えず、やがて団員の一人が小さくあくびを漏らした時にやっと話し出した。
「蛇…私達に宿る能力は、一般的な言葉で表せば、魂だ。『コノハ』が自律的に動いていた事や、『冴える』に自我があった事からもそれは推し計れる」
何人かはなぜそんな事を話すのかという疑問、他の何人かはそれ以外の各々の疑問を抱いて、総じて言えば全員が怪訝そうな顔をする。
そんな全員を一通り見回してから、ドールは最後の一言を口に出した。
「昔の俗説だが。
人間の魂の重さは、二十一グラムらしい。蛇に重さがあるとするなら、それは人間の魂の重さと同一かも知れない」
そして、メカクシ団の面々に理解の色が広がって行く、その前にーーー
ドールは、蛇の脱け殻を食べた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:一夏 白 | 作成日時:2017年10月12日 7時