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第二十話 ページ23

素早く、ゆっくりと、軽く、執拗に。
 ぐちゃぐちゃと、にちゃにちゃと音を立てながら、しかし見ている分には不快でない程度の上品さで。
 ドールは蛇の脱け殻を咀嚼していた。
 視界は真っ暗で、それでいて撹拌されている。
 やがてドールが脱け殻を飲み込み、それが胃に落ちて、胃の中で溶け落ちて…
 そして、蛇の脱け殻は、物質的な所を残してドールの体に染み渡った。
 一瞬意識が落ちて、そこからまた再起動される。
 見回したメカクシ団の団員の顔は驚愕に満ち満ちていた。
 
 「わたし」ーー私ではないーーは、生まれて初めて、声帯を震わせて、現象として音として、声を出した。
「はいめましぇて、『めをみはる』っていいまふ。みはるってよんでくださいぇ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「初めまして、『目を見張る』って言います。ミハルって呼んで下さい」

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作者名:一夏 白 | 作成日時:2017年10月12日 7時

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