今日:17 hit、昨日:2 hit、合計:1,227 hit
小|中|大
第二十話 ページ23
素早く、ゆっくりと、軽く、執拗に。
ぐちゃぐちゃと、にちゃにちゃと音を立てながら、しかし見ている分には不快でない程度の上品さで。
ドールは蛇の脱け殻を咀嚼していた。
視界は真っ暗で、それでいて撹拌されている。
やがてドールが脱け殻を飲み込み、それが胃に落ちて、胃の中で溶け落ちて…
そして、蛇の脱け殻は、物質的な所を残してドールの体に染み渡った。
一瞬意識が落ちて、そこからまた再起動される。
見回したメカクシ団の団員の顔は驚愕に満ち満ちていた。
「わたし」ーー私ではないーーは、生まれて初めて、声帯を震わせて、現象として音として、声を出した。
「はいめましぇて、『めをみはる』っていいまふ。みはるってよんでくださいぇ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「初めまして、『目を見張る』って言います。ミハルって呼んで下さい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:一夏 白 | 作成日時:2017年10月12日 7時