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昼食の時間になり、団員たちとテーブルを囲み、さきほどキドと一緒に作ったクリームシチューを口に運ぶ。
「やっぱりAさん元気ないですよね……?」
「だよな。最近ずっとじゃないか?」
珍しくエネちゃんとシンタローの意見が一致している。
「そうっすよね。何かあったなら聞くっすよ?」
「お姉さんが元気ないの、遊園地の帰りからじゃない?」
「友達なら……守りたい……」
「私も、なんだって力になるよ!」
「……うん!私も頑張ってみる……!」
「俺たちは仲間だからな」
皆が暖かい言葉をかけてくれた。
本当にメカクシ団の皆は優しいな……なんてのんびり考えてる場合じゃなくて……!
「私はいつも通り元気だよ。……心配かけてごめんね?」
そうしている間も、カノだけは周りを切り離して食事を進めていた。
やっぱり私、嫌われてるのかな……。……ごめんね。私、嘘ばっかりだよ。
「あれ、カノさん具合でも悪いんですか?」
「やけに静かだな?」
「……え?そ〜う?な〜んか面白いことないかな〜って考えてたんだけど……あ、もしかしてキド心配し__痛い痛い痛い!!」
カノが言い終わる前に、キドがカノの腕を曲がってはいけない方向にねじった。
カノは今、何を考えていたの?
やっぱり、君の方が嘘はお得意ですね。
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作者名:夜桜
作成日時:2017年9月24日 0時