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story.30 ページ31

あれから、特に問題もなく皆で数時間ほど遊び、だんだん空は薄暗くなり始めていた。

 「じゃあ、そろそろ帰るか」

 キドの一言に、皆、楽しかったね、と思い思いに感想を口にした。

 きっとカノが「お化け屋敷楽しかったよね〜!」とでも言ってからかってくるのだろうと思ったが、その様子はない。

 横目でカノを見ると、キドと何やら楽しそうに話しているところだった。

 まあ、からかわれないに越したことはない、だろう。

 「お姉さんどうかしたの?」

 気付くと、ヒビヤが隣に来て私の顔を覗き込んでいた。いや、覗き込んでいたというよりは、見上げていた、の方が正しいかもしれない。

 「え……?どうもしないけど……何で?」
 「何かすごい暗い顔してたよ?」
 「そんなつもりなかったんだけど……」

 私が暗い顔……?何でだろう?何も嫌な事なんてないはずなのに。

 まあ、確かにちょっと今は気分が悪いような気がしないこともないかもしれないけど、きっと理由なんて『お化け屋敷後に私をからかってきたカノがムカつく』とか、そんなものだろう。

 「元はと言えばAさんの新歓ってことだったんっすから、これからNo.10でよろしくっすね!」
 「そうだね。楽しかったよ?ありがと!」

 そうだ、元は私の新歓で…!

 あっ、そうか。シンタローが遊園地はパスと言っていたのはジェットコースター事情だったのか。

 じゃああの時私はだいぶ見当違いな事を言っていた気がする。


 それにしても、メカクシ団No.10、か。


私はこの人達をどこまで信じたらいいのだろうか。

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作者名:夜桜
作成日時:2017年9月24日 0時

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