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中に入って来たのは、赤いジャージを着た男の人。こんな真夏なのに暑くないのだろうか。いや、それを言ったら、キドさん……?とかいう人も長袖のパーカーを着ているし、緑のつなぎの人も見るからに暑そうな服装だ。
「ねえ、お兄ちゃんジャージとか暑苦しいんだけど!?」
「いや、それを言ったらコイツも同じじゃねーかよ!長袖のパーカーに毛布なんて被って!」
モモちゃんのお兄さんに思いきり指を刺される。そうだ、私も暑そうじゃないいか。何故今まで気づかなかったんだ。
「う、うあぁっ!ごっ、ごめんなさいっ!毛布取ります!取ります!!」
ああ、何でまた焦ったようなしゃべり方を……。自分のあまりの格好悪さに「うぅ……」と呻き声が漏れる。
「ご主人ったら、それだからモテないんですよ!その子怖がってるじゃないですか!」
何処からともなく明るい声がお兄さんに話しかける。
「こ、怖がってなんかっ……!!」
「そう?でもお姉さん震えてたよ?」
気づいたら横に立っていた小学生位の男の子に言葉を遮られる。その男の子の後ろには背の高い男の人が無言で立っている。
「震えてないっ!怖がってないから!」
男の子の言葉を思いっきり否定する。
猫目の人に、「さっきからそこ、こだわるよね〜」と笑われる。
でも、ここで怖がっていると思われる訳にはいかない。また口を開こうとした時、
「よし、全員揃ったな?自己紹介を始める」
と、キドさんが場をまとめた。
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作者名:夜桜
作成日時:2017年9月24日 0時