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story.13 ページ14

帰ろうと立ち上がる__しかし今、私の足はあまり使い物にならないらしい。
 倒れないよう集中して、無理矢理立ち上がると、膝にズキンと鋭い痛みが走る。
 「おいA大丈夫か?なんならカノに__」
 「こ、このくらい全然平気だから!ちょっと疲れただけだし!」
 心配そうに見ているキドにとりあえず大丈夫と言ってみたは良いが、痛い。とにかく痛い。
 顔には全く出していないはずなのに、カノにはバレてしまったらしくクスクスと笑っている。
 「__ッ!笑うなっ!!」
 「あっれ〜Aちゃんそんなに口悪かったっけ?」
 カノがふざけて顔を除きこんでくる。
 何してんだコイツ、と思ったが、私が言葉を発する前にカノが口を開いた。
 「って、あああ!泣かないでって!足痛いなら言ってよ!」
 私の涙は止まっていなかったらしく、思いきり公表された。
 「お、おい!我慢しなくていいんだぞ!?泣くくらいなら__」
 「あああああ!!泣いてないから!カノふざけたこと言わないでよ!」
 「いや、心配だからカノ背負っていけ」
 ……はい?何言って……!?いやいやいや!!男の子に背負われるなんて……ムリだ!
 「いやっ……ムリムリムリムリムリ!!悪いし!そもそも泣いてないし!」
 「いや、仮に泣いてなくても、だ。団長命令な。」
 「__ッ!はいはい。じゃ、Aちゃん。」
 「って、えええっ!?本気でっ!?!?いやいや……」
 「A、コイツの事なら気にするな。団長命令だからな」
 「__ッ……わ、わかった…………」
 うああああああああああ!!!!私はこれからどう生きていけばいいんだ!
 そんなことを考えながら、結局背負われることになってしまったので渋々カノに背負われる。
 ……というか、カノってキドより身長低いのか。カノより10cm近く身長が低い私が言うことでもないが。……身長欲しい。
 そして、カノ。案外乗り心地いい……とか言ってる場合じゃない気がするが。
 カノはまだしも、キドまで何も話してくれないとなるとだいぶ気まずい。

 空には絵に描いたような三日月が浮かび、色とりどりの星がちりばめられていた。

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作者名:夜桜
作成日時:2017年9月24日 0時

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