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そんなことを話していると、公園の入り口に人影が見えた。

それは、3人……セト、シンタローさん、そしてカノが、任務を終えたらこの公園で合流す る。

そんな、予定通りの出来事だった。

傾き始めた陽の光に照らされた3人は、さながらコンクリートの上で揺らぐ夕方の影法師のようだ。

「マリー!クレープおいしかったっすか?」

「あ、セト……!うんっ、私のもおいしかったんだけどね、でもキドのクレープおいしそうで……でももらうの忘れちゃった」

そう聞くとセトはマリーの頭を撫で、

「はっはっはっ!それは残念だったっすねぇ!」

と明るく笑う。

その光景に、わたしは前の世界でマリーとわたしを庇って殺されたセトの姿を思い出した。

幸せそうな2人の時間がずっと続いてくれたらいいのにな、と眺めていると、

「……あ」

ふとその向こうに立っているカノと目が合う。

カノひとりだけが、両手をポケットに突っ込んだままだった。

それでいて、皆を一歩下がったところで眺めながらニコニコと笑っている。

わたしはそのことを気にも留めなかった。

つかつかとキドに歩み寄り、なにか話しかけるのを見て、むしろ安堵さえ感じていた。

あぁ、カノ、普通だ。なんて。

昨日のどこか不安そうな表情は見えなくて、きっともう大丈夫なんだって。

「あんまりおいしすぎて、自分のクレープつまみ食いされるのが惜しくなっちゃったんじゃない?」

と、立ち上がったキドの肩に肘を置いて悪態をつく、カノ。

「……そんなわけないだろ」

呆れ顔でキドは、その腕を振り払おうとする。

いや……振り払われる、はずだった。

ところが、

「……ねえ。キド?」

その腕は、キドの細い首筋に回される。

素早くポケットから出された右手に握られていた黒いモノを、カノはキドのこめかみにするりと滑り込ませる。

「カ……ノ……?」

それはあの日見た、あのピストル───。

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- また付け足し。まどマギ知っていて嬉しかったです (2014年11月1日 8時) (レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)
- いえ、面白いので。私人に嫌な言い方するときがあるんです。すみません (2014年11月1日 8時) (レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 操さん» 返信遅れてすみません! たぶん目覚めのシーンとかですよね。 アニメの第十話、確かに意識したので……不快にさせたようならすみません。 似ていないところもたくさんある……はずなのでこれからもよろしくお願いします!コメントありがとうございます! (2014年10月31日 23時) (レス) id: 4032ac221f (このIDを非表示/違反報告)
- 付け足し。余計な事言ってすみません (2014年10月30日 19時) (レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)
- 失礼します。まどマギの小説に似てる (2014年10月30日 19時) (レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼方 x他1人 | 作者ホームページ:http://s.ameblo.jp/mimio-oshiman/  
作成日時:2014年10月6日 13時

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