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「こんにちはっ!」

カノが底抜けに明るい声とともにドアを開ける。

その部屋には既に、新しい仲間が運び込まれていた。

椅子には、ちょこんと頭の片側にポニーテールを作った女の子。

年は同じか、ひとつ上くらいだろうか。

それから、ベッドの上には黒いTシャツの男の人が寝かされている。

その上には丁寧に、薄い掛け布団がひいてあり、枕元には赤い長袖のジャージが畳んで置いてあった。

「……あ!」

カノがドアを開けると、その女の子はバッと顔を上げた。

吸い込まれそうに大きな瞳がわたしをとらえ、

「私っ!如月桃、16歳……じゃなかった、その……アイドル、はさっき辞めたんで……あっ、 メカメカ団!団員No.6です!!」

と、随分煮え切らない自己紹介をした。

カノが隣で噴き出した。

「ははっ、ちょっと突っ込みたいところが多くなりすぎちゃったというか……」

あんたの初対面荒らしのことだな。

わたしはカノの話を耳に留めながら、ちらりとベッド上の青年の様子を伺った。

彼は現在わたしの正面で両腕を広げ、時折呻き声を上げながらも大方すやすやと眠ってい る。

根暗そうな目元をしてはおきながら、意外と大物かもしれない。

「じゃあ、仮にソイツを団員No.8、ジャス子と呼ぶことにしましょう」

微妙なあだ名だな、とわたしは思った。

話はいつの間にかベッド上の青年に移っていて、彼はジャス子という名を呼ばれるたび、それが自分のことかのように苦しげな呻き声を上げた。

「それ、お兄ちゃんなんです、私の。で、私はジャス子のことが大嫌いで、特にこれといった理由はないんですけど、なんか暗いし、家の中で会うたびにむしゃくしゃして」

わたしは、こっそり胸中でジャス子さんに親近感を覚えた。

「イケメン風の見た目なのに要領が悪いところも、兄妹のはずなのにテストでは私の50倍の点数取れるところも、日に当たらなすぎて腐ったニートなところも、私と短距離走のタイムがそんなに変わらないところも嫌い」

難癖もいいところだ、とわたしは苦笑いした。

「とくに理由もないなら、仲良くすればいいのに」

わたしの言葉にモモちゃんは息巻いた。

「罵りあってようが、殴りあってようが、一緒にいることはできるんですから。仲良くする必要はないんですっ!」

それって嫌いとはちょっと違うんじゃ、とわたしは喉元まで出掛かった言葉を呑み込んで、予想だにしなかったディープ・インパクトな出会いに少し笑った。

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- また付け足し。まどマギ知っていて嬉しかったです (2014年11月1日 8時) (レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)
- いえ、面白いので。私人に嫌な言い方するときがあるんです。すみません (2014年11月1日 8時) (レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 操さん» 返信遅れてすみません! たぶん目覚めのシーンとかですよね。 アニメの第十話、確かに意識したので……不快にさせたようならすみません。 似ていないところもたくさんある……はずなのでこれからもよろしくお願いします!コメントありがとうございます! (2014年10月31日 23時) (レス) id: 4032ac221f (このIDを非表示/違反報告)
- 付け足し。余計な事言ってすみません (2014年10月30日 19時) (レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)
- 失礼します。まどマギの小説に似てる (2014年10月30日 19時) (レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼方 x他1人 | 作者ホームページ:http://s.ameblo.jp/mimio-oshiman/  
作成日時:2014年10月6日 13時

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