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-----▶ROUTE 002
……ジリリリリリリリリリリリリ!!
「うわあああああああっ!!」
そのけたたましい音に、がばっと身体を起こすと───
そこは、見慣れた自分の部屋だった。
枕元には、お気に入りのクマのぬいぐるみがあって、無駄に元気な音を響かす目覚まし時計があって、大好きな花柄のクッションがある。
ぼんやりと顔を横に向けると、カーテンの向こうからは、眩しい光が注ぎ込んでいた。
「……う……夢……?」
むにむにと手を伸ばして目覚まし時計を止めると、わたしはようやく息を吐き出した。
不思議な夢を見ていたように思う。
何年も前の昔の話と、もうひとつ。
手を取り合った、少年少女の話───……。
サイドテーブルの上のデジタル式の目覚まし時計の表示をぼうっと眺めていたわたしは、大変なことに気付いて、ハッとした。
「時間が……戻ってる……?」
そう、カクカクとしたデジタルが示すのは、�08-14�。
起き上がり、自分の服装を確認する。
パジャマでは、ない。白いドルマンスリーブのパーカーをはおった、普段着姿だ。
そしてわたしは……自分が左手で何かを固く握りしめたままでいることに気が付いた。
この感触には、覚えがある───。
それが、何か。 それが、どこであったか。
どくん、と高鳴り始める鼓動をなだめるように、わたしは、そっと左手を開いた。
そこには、ひとつの鍵が握られていた。
そして、その鍵に付けられた3個のナンバーチャーム───�1��0��7�。
「……アジトの、鍵」
夏の朝日をはね返して、きらりと光る鍵は、全て夢なんかじゃない、と明確に告げていて。
そして、それは、わたしの中から忘れていた記憶を引きずり出していた。
わたしの
それを思い出したわたしは、怖いとか、不思議だとかそんな感覚よりも……とにかく、嬉しかった。
時間は、戻った。
もう一度、やり直せる。
あの悪夢のような全てを書き直すことができる。
そして、この世界では、
まだ、あの人たちが、幸せに過ごしている……そのことが、泣きそうに嬉しかった。
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操 - また付け足し。まどマギ知っていて嬉しかったです (2014年11月1日 8時) (レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)
操 - いえ、面白いので。私人に嫌な言い方するときがあるんです。すみません (2014年11月1日 8時) (レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 操さん» 返信遅れてすみません! たぶん目覚めのシーンとかですよね。 アニメの第十話、確かに意識したので……不快にさせたようならすみません。 似ていないところもたくさんある……はずなのでこれからもよろしくお願いします!コメントありがとうございます! (2014年10月31日 23時) (レス) id: 4032ac221f (このIDを非表示/違反報告)
操 - 付け足し。余計な事言ってすみません (2014年10月30日 19時) (レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)
操 - 失礼します。まどマギの小説に似てる (2014年10月30日 19時) (レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼方 x他1人 | 作者ホームページ:http://s.ameblo.jp/mimio-oshiman/
作成日時:2014年10月6日 13時