１５>side:キド ページ17
「でも、キド……さん」
「キドでいい」
「じゃ、キド。わたし、他人の考えてることなら何だって分かるわけじゃなくて」
Aは遠慮がちにそう言うと、再び自らの目を赤く染めてみせた。
そして隣に座ったセトをじっと凝視する。
Aの真意を汲み取った俺は、「あぁ」と呟くと、
「おい、セト。何でもいいから何か考えてみろ。今すぐだ」と告げた。
「う、えぇぇえっ！？ 俺っすか！？」
「早く」
「了解っす！分かったっすから！！」
仕方なく、といった感じでため息をついたセトは、Aと目を合わせるように体の向きを横に向ける。
「……Aさん、ちょっと失礼するっす」
「…………」
「…………」
しばらくの沈黙の後、Aは眉根をよせ、ゆるゆると首を振った。
「……駄目、何にも分かりません」
「そうか。次、違うこと……セト、いけるか？」
セトが黙って頷く。
「…………」
「……どうだ？ A」
そう尋ねて表情を伺うと、何故かAは酷く顔を赤らめている。
セトの方も何が起きているのか分からないようで、頭の上に“？”マークを浮かべてたじろいだままだ。
「A……？」
待ちかねた俺が口を開くと、Aは小刻みにプルプルと震えながらやっとのことで、
「い、いや……お二人、そんな仲だとはわたし、露とも知らないで……あ、すみません、こんな今日出会ったばかりの人間が首突っ込んで……その、お幸せに」
とだけ言うと前かがみに突っ伏して「ひぇぇぇぇ」としか言わなくなってしまった。
「セト、Aにいったい何を……」
「え？やぁ、たまたま目に入ったもんっすから、『あぁ、マリー食べたい』って」
その瞬間、いつの間にか元に戻っていたカノが飲んでいた紅茶を吹き出した。
マリーも再び「ぼん」と音を立てて赤面し、「ひぇぇぇぇ」と嬉しい悲鳴を上げている。
「え……？ ───あああ！！！」
やっと自身の爆弾発言に気付いたらしいセトが、これまた盛大に顔を真っ赤にしてぶんぶんと手を振りまくる。
「違うんすよ！！誤解っす！！ほら、クッキー！！あるじゃないっすか、ムーン●イトとチョイ●ともうひとつ、マリーって……ちょ、カノ！！笑いすぎっす！！」
異様な雰囲気に包まれたアジトを見渡せば、その騒がしさに困り果てる。
だが……
(……悪いもんじゃないな)
「───団員Ｎｏ．５、“A”。よろしくな、新入り」
俺は思わず、笑みを零していた。
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操 - また付け足し。まどマギ知っていて嬉しかったです (2014年11月1日 8時) (
レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)
操 - いえ、面白いので。私人に嫌な言い方するときがあるんです。すみません (2014年11月1日 8時) (レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 操さん» 返信遅れてすみません！ たぶん目覚めのシーンとかですよね。 アニメの第十話、確かに意識したので……不快にさせたようならすみません。 似ていないところもたくさんある……はずなのでこれからもよろしくお願いします！コメントありがとうございます！ (2014年10月31日 23時) (レス) id: 4032ac221f (このIDを非表示/違反報告)
操 - 付け足し。余計な事言ってすみません (2014年10月30日 19時) (レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)
操 - 失礼します。まどマギの小説に似てる (2014年10月30日 19時) (レス) id: 25a230a0da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 x他1人 | 作者ホームページ：http://s.ameblo.jp/mimio-oshiman/
作成日時：2014年10月6日 13時
