毒舌ガエルとメイド服【REBORN！】 (ページ18)

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第15話ページ18

今日も中庭には歌声が響く

フランの3日限定ボスから２ヶ月

Aに課せられた敬語禁止もぎこちない

ながらも慣れてきたようだ

しかしまだフランも他の幹部も誰もAの笑顔

を見た者はいなかった

｢その歌、好きなんですかー？｣

Aはただ無言で頷き、歌を続けた

笑顔を見せないものの、心なしか楽しそうだ

中庭にはAとフラン

昼休みに中庭で歌うことはAの日課になっていた

フランはほぼ毎日、休憩もといサボりに

中庭にやってくるのだった

やがてAは花を摘み始めた

ちらりと覗く左手首には包帯が巻かれてある

当初はフランが巻いていたのだが最近では

Aが自分で巻いている

それなりに考え方が変わってきている象徴なのだろう

｢はい、フラン｣

ふわっとカエルの被り物に乗せられたのは花冠

｢とても、似合ってる｣

そういって柔らかい表情をする

｢Aのほうが似合いますよー｣

乗せられた花冠をそのままにし、

Aはクローバーを摘み始めた

｢それ、ただのミツバですよー｣

｢いいの、ミツバで｣

手を止めずにAは続ける

｢私は、ミツバの花言葉が好きだった･･･
昔、母に聞いたの、ミツバの花言葉
復讐･幸福･約束･･･
こうやって集めてると幸福が訪れる気がして･･･
･･･でも結局私が受けたのは復讐、なのかな･･･｣

両手いっぱいのミツバを空に向かって放った

鮮やかな緑色が太陽に反射して輝きながら降り注ぐ

｢だったらミーからもあげますー｣

1つのミツバをAに差し出す

｢約束しますーミーは、Aを守りますー
今、集めたミツバの復讐から
そして、たくさんの幸福をこの、ミツバに約束しますー｣

右手にミツバを乗せたその手で

左手首の包帯を解いていく

全部解き終わったその手には

緑色のブレスレットが付けられていた

それは左手首の痣をすっぽりと隠した

｢これで、ミツバのクローバー二つ分ですー｣

しばらく声がでなかったAはやがて顔をあげ

｢･･･ありがとう｣

とただ微笑んだ