46 ページ5
*原田視点*
「…ったく、新八が変なこと言うから行っちまったじゃねぇか。」
「あぁん?俺のせいだって言うのか⁉」
しっかし千尋のやつ…急に顔赤くしたと思ったら急に戻りやがって…。
どうしたのかと考えながら千尋が戻って行った方を見ながら考えていると、隣からまたじとー…っとした視線を感じる。
「…なんだよ、新八。」
「お前さんよ、千尋ちゃんのことどう思ってるんだ?」
「…千尋の事?そりゃいい奴だと思ってるけど…。」
「そうじゃねぇよ。」
新八の唐突な質問に答えると、「そうじゃない」と言われる。
「どういう事だよ…。」
「だから…例えば、千鶴ちゃんはどういう対象として見てるんだ?」
「千鶴?…歳の離れた妹って感じだな。」
「じゃ、千尋ちゃんは?」
そう言われると、答えに詰まってしまう。
「妹…ではねぇな。……なんだろうなぁ…?」
「…お前まさか気づいてないのか?」
「?なにがだよ。」
呆れたような顔をして言う新八に問いかけると「あーやだやだ」なんていいながら頭を抱え始める。
一体なんだって言うんだ…。
「お前、千尋ちゃんのこと明らかに違う目で見てるからな。」
「…は?」
「なんつぅかこう…愛しいものを見る目っって感じだな。」
“愛しいものを見る目”…?
そんな目で見てたのか…?
「…おい、マジで気付いてなかったのかよ。そんな赤い顔しやがって…。」
「うるせぇ新八。」
「あ、おい放ってくなよ左之!」
後ろでギャーギャー言っている新八の事は放っておいて屯所へ戻る。
赤くなった顔を隠すように自分の手を顔に当てる。
(…全然無意識だった。)
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←45
7人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かん。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kaecchi0632/
作成日時:2018年8月7日 20時