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「…あ、原田さん、千尋さん。おかえりなさい。」
「おぉ、ただいま千鶴。」
「ただいまー千鶴ー。あー…寒。」
巡察から帰ってきて、千鶴が出迎えてくれる。
どうやら井戸で食器を洗っていたようだった。
寒いだろうなと思って千鶴に後ろから抱きつく。
案の定千鶴の体はキンキンに冷えていた。
「…千鶴さ、女の子なんだから。体大事にしなよ。」
「大丈夫ですよ…それに、千尋さんだって立派な女性じゃないですか。」
「んー?私は体丈夫だから。ま、左之ほどじゃないけどね。」
「だったら千鶴の事は千尋が温めて、千尋の事は俺が温めてやろうか?」
「はぁっ⁉」
きっと左之からしたら何気ない言葉だったのだろう。
でも、そんなことを言われ慣れていない自分は思った以上に大きな声で反応してしまった。
「うぉっ…なんだよ、そんなに驚くか?」
「いや、なんかその…ごめん。」
「あれ?千尋さん…お顔が少し赤いみたいですけど…。」
「!!!」
嘘…顔赤くなってるの…?
なにそれ…なんか…ここにいるのいたたまれないんだけど!!
「左之〜…なーにこんなとこで千鶴ちゃんと千尋ちゃんを口説いてんだよ…。」
「口説くぅ?俺は純粋に好意でだなぁ…。」
「わ、私寒いから中戻る!千鶴も行こ!」
「え、ちょ、千尋さん?」
「あ、おい、千尋!!」
新八が来たのを好都合に、二人が言い合いをしているうちに屯所の中へ戻る。
ていうか、いくら言われ慣れてないからって…。
(なんでこんなにドキドキするんだろう…?)
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作者名:かん。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kaecchi0632/
作成日時:2018年8月7日 20時