第25話 ページ25
『よし、全員揃ったな。それじゃあ今日は、集合をかけたアーヤから話を聞こう。』
「はい。」
私を泣かせてしまったことが堪えたのか、いつもの覇気がない若武。
オーラで言うと、キラッキラの眩しい若武オーラが、ズドーンと曇ってるのが分かるくらい。
ちなみに、上杉君は先生に引き止められ、翼は授業が長引き、忍はトイレに行っていたんだとか。
「今日みんなを集めた理由は、新メンバー加入の相談をするためです。」
思い切って私が切り出すと、目を真ん丸に見開いた若武が私を凝視していた。
若武だったらでっかい声で叫んだりするかと思ってたけど、驚きすぎて声も出ないみたい。
ビックリしているのは若武だけじゃなくて、みんな思い思いの表情で私を見つめていた。
うん、こう見るとちょっと面白い。
『ほ、ほほう!新メンバーを入れたいってことか!』
「入れたいと言うよりかは、入りたい!ってすごく思ってる子がいるんだよ。」
『俺は賛成しない。これ以上メンバーが増えて、グループの和が乱されるのは勘弁して欲しいからな。』
そう言ったのは上杉君だった。メガネの奥の鋭い目も、いつもより数段凄みが増している。はっきり言って怖い。
『俺も上杉と同じかな。このメンバーが俺は好きだし。』
上杉君の隣に座っている黒木君が意見を述べた。自然にみんなが好きって言っているようでちょっと照れてしまうのは私だけじゃないはず。
『僕はまだわかんないかな、、。会ったこともないし判断のしようがないから。』
ごもっともです。小塚君。
『俺は、入りたいってやつの話は聞いてやる。けどここでのルールを理解できないやつはダメだ。』
やっと落ち着きを取り戻した若武は、椅子に深く腰掛け低い声でそう言い放った。
『まぁまぁみんな、アーヤの話聞いてあげてよ。』
困り顔の私に気づいた翼が、その整った顔を私に向け微笑んでくれた。
おかげで幾分肩の力が抜けてきた気がする。翼、ありがとう。
「えっと、入りたいって言ってる子の名前は北沢花って言うんだけど『えぇ?!』んん???!!!」
カフェテリア全体に行き渡る大声の人物は、まさかの、いつでも冷静空気を読むあの翼だった。
思わず、何事かと周りの人からの視線が飛んでくるほどだ。
あ、翼って花君と仲悪いんだった〜。
『え、あいつが入りたいって言ってるの?』
「う、うん。」
おずおずと返事をすると、あからさまに嫌な顔をした翼が口を開いた。
『俺、やっぱり反対!』
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ナナ - とても面白かったです!!早く続きが読みたいです!! (2月9日 8時) (レス) @page44 id: abf6832c1a (このIDを非表示/違反報告)
悪役ですが何か?(プロフ) - 花君と翼の絡み、すっごい良かったです!!あなたは、神か!? (2023年4月8日 6時) (レス) @page44 id: 80363cd358 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - はじめまして!いつも読ませていただいています。すごく素敵な作品でした。更新お待ちしています。 (2021年4月2日 15時) (レス) id: 7efce59d5b (このIDを非表示/違反報告)
ねね - 花君が誰か分かったとき、あの時のカラス!!といっていて面白かったですwwそれと花君が言っていた「あのムカつくマスク野郎もいたけど、」のとこも面白かったし、第39話の若武?かな?が「うえっほん、それで、続きを話してくれ」のうえっほん!が一番面白かったですww (2021年4月1日 21時) (レス) id: 1efb73ea53 (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコ(プロフ) - 未胡成@定期的に病むさん» ある意味危ない展開になってしまった、、。翼を動揺ってなるとこれしか思いつかなかった、笑 (2020年4月28日 9時) (レス) id: 1c8e88b554 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニコニコ | 作成日時:2018年8月17日 0時