落としたノートは知っている

第19話 ページ19

「ただいまぁー、」

誰もいない空間に私だけの声が響いた。
いつもならママがいるんだけど、今日は近所の人達と食事会に行くらしい。


とりあえず、何すればいいんだっけ、
手を洗いながらボーッと考える。



花君をKZに入れるとなると、みんなに収集をかけなければいけない。

それじゃあ、小塚君に電話しなきゃ！
そうと決まれば、早めの行動しとこう。

後回しにしてたら、忘れちゃうかもしれないし、


小走りで電話の元へ向かい、もうすっかり暗記してしまった小塚君の電話番号を打つ。

受話器を耳にあてしばらく待っていると、小塚君の声が耳に流れ込んできた。


『………もしもし、アーヤ？久しぶりだね！』

「久しぶり！って言っても、5日前にも会ってるけどね。」

『僕にとっては長かったよ〜。』

そう言って嘆く小塚君の声を聞くと、確かに久しぶりかもしれないと感じる。

『あ、そう言えば要件を聞いてなかったよね、なんだったの？』

あ、そうだそうだ、うっかりしていた。

「あのね、今日の塾の休み時間、みんなに集合して欲しいの。」

『伝えとく！でも、どしたの？』

うーん、伝えたいのは山々なんだがな、
小塚君1人に先に喋っちゃうって言うのも、不公平になるからなぁ、

「まだ教えてあげられないんだけど、悪い知らせじゃないよ！」

『そっか！分かった。』

小塚君は、私の考えているのが伝わったのか、あっさりと引き下がっていった。

「じゃあ、よろしくお願いします！」

『任せて！』

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